2005/02/13
■ 2005年02月13日 ■<本>剛しいら『奪われた白衣』
これは比較的新しい本で、口絵とか挿絵は少々危険。非合法の運び屋をやっている兄弟が、必要に迫られて外科医を拉致して島に閉じ込めて・・・という話なので。ノベルズのレーベルのイメージ。挿絵のイメージで、危険度高し。それでも、読んでみるとしっかりした話でした。非合法商売も拉致監禁も三人ってのも、お約束。ジェットコースターストーリーを楽しむための本。贔屓の引き倒しかもしれませんがー読んでて違和感なかったです。続編もいろいろ作れそうだけれど・・・これで終わりかな?
■ 2005年02月13日 ■<ドラマCD>『英国妖異譚』
鈴村健一(ユウリ)鳥海浩輔(シモン)子安武人(アシュレイ) 遊佐浩二(グレイ)
これはCDだけ聞いていては訳がわからないと思う。あのややこしい原作をほぼ忠実にドラマ化して、しかも用語の説明は一切なし。だから原作ファンにとっては、聞きごたえがあるかも。
しかし、主役三人の配役は今のところ微妙かもしれない。無垢なユウリをはさんで、守護天使のシモンと悪魔的なアシュレイが綱引きをしているというバランスを再現できるかどうかがポイントだと思うんだけれど。果たして声優さんたちがそれを理解しているのかどうか。聞いたところではそんなにはっきりしていなかった。鳥海さんのシモンはイラストとかのイメージと違う。でも、冒頭の百物語のシモンの語りは素晴らしい。鈴村さんのユウリは意外とあっているけれど、もっと子供っぽいイメージの方がいいかな。子安さんの声を初めてまともに聞いたけれど、いい声だった。アシュレイを演じるには毒が少ないかも。シリーズはたくさん出ているし、CDも第二弾が発売されたばかり。これからどんどん、独自の世界を作ってくれるなら、フォローしてもいいんだけれど。あ、グレイに遊佐さんはもったいない。いっそ、アシュレイをやってほしかったくらい。
■ 2005年02月13日 ■<ドラマCD>『僕の声―金のがちょう編』(新田 祐克 原作)
高橋広樹×森久保祥太郎、森川智之、三木眞一郎、緑川光
声優業界バックステージもの。原作未読で聞きました。ベテラン人気声優、黒川英弓を森川さんが、保坂篠一郎を三木眞一郎さんが演じています。これはあきらかに本人をモデルに作られたキャラ。(フリートークで全然違うとご本人は言っていましたが)新田さんは、こんなふうにぎりぎりの題材を選ぶことを躊躇しないよね。そのへんはプロ根性で。でも内容は意外といつも前向きで、純愛で。この話もCDだけ聞いていても、聞き応えがありました。新人の声優が、声優業界でがんばって仕事をしていくという話。上智@高橋広樹さんは、最初は新人らしく控えめで一生懸命なんだけれど、風間@森久保祥太郎さんにせまるところは大胆で、そのへんが少々統一感がないような。今度、原作を立ち読みしてこよう。
■ 2005年02月13日 ■<本>剛しいら『顔のない男』
これは、面白かった。(イラストも可愛かった。健全。笑。)嘘と本気と、本気と嘘の境界線を描いて、仕掛けが壊れたあともお話を壊さずに着地できた作品。主人公はまだ駆け出しの新人俳優。彼は有名な監督から、ある一流俳優の相手役として指名される。ただし、台本の人物になりきって、兄弟としてしばらく暮らすという条件つき。それから映画を撮るのだという。役に同化するうちに、嘘が本当になる。撮影が終わった後、ふたりはどうするのか?
劇中、主人公演じる弟が殺される。そのことによって兄の怒りと悲しみがクライマックスにつながるという筋書きだ。しかし主人公は思う。架空の話とはいえ、兄弟で幸せな日々の生活を送っていた弟の気持ちがある。弟を大事に思う兄の気持ちがある。それを踏みにじるような筋書きでいいんだろうか?と。そういう視点があるからこそ、剛さんの作品は読んでいて安心できるのだと思う。
■ 2005年02月13日 ■<本>剛しいら『見知らぬ男―顔のない男2』
音彦に、初めて二時間ドラマの主演のオファーが来た。新米熱血刑事の役。ただし、その役を得るためには、ゲストとして映画で共演した天才俳優飛滝(ひたき)を引っ張り出さなければならない。映画での共演以来、私生活では恋人同士のふたりだが、刑事と殺し屋という役を演じて大丈夫なのか?飛滝は役に深く入り込んでしまうので、音彦を憎むかもしれない。
飛滝は役に入ってしまうと、役と自分の区別がつかなくなる。音彦は映画の時は、なんとか自分のところに飛滝を引き戻すことができた。今回も上手くいくのか?そんなことで二人の関係が気まずくなるくらいなら、自分は俳優をやめて飛滝のマネージャーにでもなったほうがいいのではないか?そんな危惧を口にする音彦に飛滝は言う。「逃げるな。五日間、役になりきってみよう。そうすればお互いの気持ちが変わるか変わらないかわかるだろう。」そうして、二人だけの、真剣勝負のリハーサルが始まった。
すごく面白かった。主人公達が役を演じる。その演技が本物に変わる瞬間が描かれている。このところ、話のための話みたいな本も何冊か読んで、ウソとホントの境界線はどこだろう、と考えたりしていたけれど、この本では、その境界線を行き来してみせてくれる。読んでてどきどきする。そしてまた、彼らのプライベートの生活でも、役の顔が現れる。俳優二人の生活は多重構造になっていて、同じ相手なのに浮気をしているような、不思議な関係が読んでいて楽しい。
■ 2005年02月13日 ■<本>剛しいら『ビター・ヴァレンタイン』
口絵と挿絵の危険度けっこう大。表紙が大丈夫なので油断して口絵をカバーにはさまずにレジに出して、後であせりました。今月出た新刊のうちの一冊。ちょうどバレンタインシーズンでタイムリーなショコラティエのお話。この本には『華麗なる復讐』と同じネタが一個入っていて、実はちょっとそれは苦手。あはは。軽快なコメディで押し通してくれたら良かったんだけれど、後半少し重かったかな?挿絵がおだやかな作品と、ずいぶんタッチが違うんですが、本当に二、三人いるんじゃないだろうか、作者。今年に入ってもう五冊以上出てるのよ。
2005/02/14
■ 2005年02月14日 ■<ドラマCD>『銀の雪 降る降る』(くりこ姫原作)
早瀬俊行 堀川亮 高山みなみ 置鮎龍太郎
1992年に出たドラマCD。函に入っていて、ブックレットもついた立派なセット。ブックオフでたまたま見かけて買ってみました。男子校の伝説の大岩を巡るお話。教師として母校に赴任した山岸は、生徒の叔父に一目で恋に落ちる。彼とはどこかで会ったことがあるような・・・・BLのはしりのような作品。中学生が聞いても大丈夫(笑)10年以上前の録音ですが、堀川さんも高山さんも上手いです。堀川さんの声はほとんど変わらない。置鮎さんはチョイ役。声が若いけれど、今につながってるみたい。真ん中と最後に、全然関係ないような歌が入るのは当時のCDのパターンかな。
■ 2005年02月14日 ■<本>剛しいら『御足をお舐め』
2003年作品。う〜ん。こんなに作品によって作風が違うのも珍しい。これはもう明らかにこういう作品と割り切って書かれたものなんだろうなあ。コメントなし。
■ 2005年02月14日 ■ヴァレンタイン・デー
一日ずれていれば、楽なのに・・・と思う人もいたんでしょうか。今日はバレンタインデー。去年の今頃は東京へ行っていました。『イノセンス』の試写会を見て、そのあとオフで楽しかったなあ。今年は、数日前に義理を果たし、義母からもらったメリーのチョコなんかを食べています。さっきお昼を早帰りの長女と食べに行ったら、レジでアーモンドチョコをもらいました。
昨年くらいから、子供達が手作りチョコを作るようになりました。チョコを溶かして、ホイルの型に流して、ナッツを飾り、ペンシルチョコで模様を書いて、ラッピングをする。そういうのを10個ばかりつくって、学校で友達と交換する。いわゆる「友チョコ」?そして紙袋いっぱいのチョコを持って帰ってきました。手作りが多いなあ。主に部活の子から。クラスの子も少し。全部女の子。(ブラスの部活にいる、数少ない男子は全員からそのようなチョコをもらえるらしい。)結局、おいしくて楽しい行事は自分達で楽しむものに変えていくんだなあ、と感心したりして。
■ 2005年02月14日 ■<ドラマCD>『少年陰陽師』第二巻
甲斐田ゆき(阿倍昌浩) 大谷育江(もっくん) 紅蓮(小西克幸) 安部晴明じい様(麦人)
安部晴明ー青年(石田彰) 青龍(森川智之) 六合(高橋広樹) 藤原俊行(関俊彦)
健全(笑)。第一巻は次女のお友達に借りて聞いた。その時は、声優さんについて何もしらなかったので、あんまり面白くなかったんんだけれど、今ならいろいろと楽しめる。主役は晴明の孫の昌浩なんだけれど、昌浩を守っている式神もっくんが変身すると紅蓮になって、それを、小西さんがやっているのでした。アクションヒーローの小西さん(笑)なかなかかっこいいよ!そして紅蓮のことを快く思わない晴明の式神の青龍は森川さんです。青龍はいつも不機嫌でドスを利かせた声で話しているので、これもなかなか美味しいですよ。安部晴明は麦人さんがじい様を演じ、魂だけが動くときは、青年の姿になって、そのときは石田彰さんなんですが、皮肉屋で一筋縄ではいかない晴明の役は、すごく合っています。かわいい受けをやってる時はそんなに好きじゃないけれど、性格がちょっと悪い役だと、とってもいいかも。ドラマ自体は原作を読んでないと音だけではわからないと思う。そういう意味では、出来がいいとはいえないけれども、楽しいCDでした。
■ 2005年02月14日 ■<本>剛しいら『花扇』
本当は、この本の前に同じシリーズで一冊出ているんだけれど、未読のまま『花扇』を読みました。落語家の弟子の視点から、師匠である三九亭初助の語られることのなかった物語が明らかになる。二段構えのつくりになっている上に、そこで語られる物語は、極上の味わい。下手なレビューは必要ないので、手にとって読んでください、というのが私の感想でした。
顔のない男を読んだときも思ったんですが、剛さんには、創作すること、物語を語ること、に対する真摯な姿勢があるように思います。映画でも落語でも、そこに登場する人間には、実際と同じような感情があり、人生がある。そんなふうに考える人の作品だから、安心して読むことができます。・・・全部の作品がそうではないみたいですけれど、そのへんどうなってるのか、もう少しいろいろ読んでみます。
2005/02/15
■ 2005年02月15日 ■剛しいら作品リスト
発行順のリスト(紀伊国屋)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8D%84%82%B5%82%A2%82%E7/list.html
公式HP 「剛しいら組」
http://homepage1.nifty.com/siiragou/
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続きを読む...■ 2005年02月15日 ■さて
『ミルククラウンのためいき』『純愛ロマンチカ』『ライバルも犬を抱く』ゲット。
『英国妖異譚』の2も欲しいかな〜。
「ごはん」と「お金」は考慮中。剛しいら作品に行くかも。
多忙につき本日お休み。
2005/02/16
■ 2005年02月16日 ■<まんが>新田 祐克『僕の声』第一巻
CDを聞いてから読んだ原作。声優業界バックステージもののせいか、CDと同時発売だったそうです。こんなにCDと原作が同じ印象なのも珍しい。新田さんの絵は硬いので、声優さんの声の方が微妙なニュアンスを持っているみたい。でも絵が硬いからこそ、話がしっかりせざるをえないのかもしれない。このままシナリオにしても、なんとかなるような、そんな感じ。だから印象が同じになるのかも。上智君、やっぱり強引(笑)。
■ 2005年02月16日 ■<本>剛しいら『別れのない国』
イラスト:柏木 ヒロサ(Chocolat novels hyper ) 心交社 2003/09出版
さて、100冊ちかくある剛さんの本を片っ端から読んでみることにしました。いつまで続くかわかりませんが。一応、読者投票で上位になった作品とか、書評サイトで褒めてある本から始めようかと思います。どうも、ノベルズのレーベルとか、イラストを描く人によって、中身が違うような気がするので、メモをつけることにします。
この話は、大学四年生の駿が、たまたま雑誌で見かけた時計の会社の社長、大庭に心惹かれて、入社試験を受け、社長秘書として採用されるところから始まります。面接で駿を見た大庭も何かを知っている様子。いったいふたりの過去になにがあったのか?駿は中学三年生の時の事故で記憶を一部失ってしまっているのでした。大庭と過ごすうちに、駿の記憶は少しづつよみがえっていきます。
ある程度予想のできる展開の話なんだけれど、古い洋館や、響き渡る時計の音のイメージが利いていて、飽きずに読むことができました。剛さんのすごくよくできた作品と、書き飛ばしたのかな?というような作品のちょうど中間に位置するような話。ちょっともったいない。私が一番好きなのは、先輩秘書にいじめられていた駿が最後には、絶対負けないぞ!と決意するあたり。それを甘やかそうとする大庭はちょっとヘタレ。
■ 2005年02月16日 ■<本>剛しいら『青と白の情熱』
イラスト:かすみ涼和 (キャラ文庫 ) 徳間書店 2004/07出版
老舗の料亭の跡継ぎ、扇修石(しゅうすけ)が新店舗に使う器として目をつけたのは、九谷焼の若手作家、那谷青也の作品。彼の作品の青色に惹かれた修石は北陸の工房に足を運ぶ。修石のプライドと野心を笑うかのように、青也は彼を試す。
自然の中で暮らし、土から器を作り出す青也と、都会に暮らし素材と場所と器をコーディネートする修石。かけ離れた二人が惹かれあうのは何故か。何を器に盛るのか?夜明けの空を映す青也の器の青と、愛情をそそがれて育てられた修石の肌の白の対比が美しい作品。一冊に二つの話が収録されているのだけれど、どちらも短い枚数なのに深い。作品という器に作者の想いがこめられているとしみじみ思う本。
■ 2005年02月16日 ■<本>剛しいら『教授の密かな楽しみ』
イラスト:華門 (Laqia super extra novels )ハイランド 2003/03 2003/09
続編『教授の華やかな悦び』と二冊まとめて読了。一冊目を読んでいて、通常の日記で感想を書くのはまずい分野に入っちゃったかな〜と思ったんだけれど、二冊目で許容範囲に落ち着きました。SとかMとか支配とか被支配とか。ペットとか家具とか奴隷とか。そういう道具立てを使いつつ、一般常識とは違うところに一貫した価値観を設定することができれば、お話としては成功してるんじゃないかと思いました。ただ、私が読んでても、この程度だとぬるいというのはわかる。本当の愛情や恋を、少しでも持ち出したら負けじゃないかしら。ドクター加藤のように、健全な世界には戻って来なかったけれど。この本はきちんと書かれた話ですが、真摯なお話も危ないお話も、同じレベルで書かれちゃうと、剛さんの本気はどこにあるんだ、と気になって他の本に手が伸びてしまうんでした。
2005/02/17
■ 2005年02月17日 ■<本>剛しいら『惚れたら最後』
イラスト:稲荷家房之介 (B−boy novels ) ビブロス 2003/11出版
若手麻薬取締捜査官の堂元新(どうもとあらた)は職場の先輩、二階堂忠明に惚れている。しかし告白するわけにもいかず、張り込み中の車内で悶々とする毎日。売人逮捕が早すぎると、上司に謂われのない叱責を受ける二階堂の名誉回復のため、新は囮捜査を申し出るが・・・・
公私混同から最も遠い職場を舞台にラブラブな二人なんだけれど、こんな話でも、しっかり作ってあるので楽しい。なにが面白いって二階堂さんの性格。冷静沈着、度胸も体力もあって、優しくてハンサム。新とそういうことになってからは、初めてだったとは思えない研究熱心さで日々テクを磨き精進に励むまじめな男。それでもって、少し意地悪だったりするのが最高。ありえない話なんだけれど、麻薬捜査の描写もきちんとしてると思う。そっち方面でマジに書こうと思ったらいくらでも書ける余裕を感じます。それなのに二階堂さんに裸ネクタイなんてさせちゃういけない作者でした。
■ 2005年02月17日 ■<ドラマCD>『ライバルも犬を抱く』(剛しいら原作)
堀内賢雄×伊藤健太郎、中井和哉、梁田清之、小野坂昌也
さてこのシリーズも三枚目。徹と加藤に加えて西崎、坂本、東が登場しました。ヤクザといえば梁田さん。坂本にぴったり。東の中井さんはちょっと軽いかな。西崎の小野坂さんは人がよさそうで合っていました。これまでのCDが徹と加藤の二人をメインにすえた室内劇のような内容だったので、今回は家の外に出たために少々散漫な印象。東と徹の関係にしぼって、試合場面をメインに構成した方がよかったかもしれないなあ。カインとアベルの掛け合いがないのもさびしいし。なにより、加藤の魔力は外の世界に出てしまうと効果がなくなってしまう感じがして、それが一番残念かも。
■ 2005年02月17日 ■<本>剛しいら『主夫のおつとめ!』
イラスト:片岡ケイ子(プラチナ文庫 ) プランタン出版(フランス書院) 2004/12出版
タメ口の一人称で書かれた本。またいつもと違う作風かい、と思ったら、あ・かる〜い艶笑譚でした。心霊現象ネタの本を書こうと思ったライターの俊樹が、座敷童がいるという古い屋敷を訪れると、そこの持ち主の桧は生活能力ゼロの引きこもり青年だった。屋敷を出て一人暮らしを始めたとたん、運気が下がって、お金も食べるものもないという。なりゆきで桧の世話をしてしまった俊樹は、屋敷のワラシ君に気に入られてしまう。ワラシ君は子供の姿をしているけれど、実は年季の入った妖怪なので、ふたりが仲良くしたりするとうれしそうに見物している。屋敷の当主が幸せだとワラシ君も幸せ。よく食べよく飲み、贅沢好きでおねだり上手の桧が満足するまで、俊樹はご奉仕させられて、夜も寝かせてもらえない・・・えーと、剛さんのパワー50パーセントって感じ?続編が出たら、もう少しパワーアップするかもね。
■ 2005年02月17日 ■<本>剛しいら『ロマンティックな七日間』
イラスト:須賀邦彦(クリスタル文庫 ) 光風社出版(成美堂出版) 2003/03出版
脚本家志望の裕也は、友人の新人監督賞の受賞パーティーでカメラマンの真樹雄に出会う。出会った途端ふたりは恋に落ちて、ロマンティックな一週間を過ごす。おそらく、ロマンティックな一週間という主題がまずあったんだろうな。出会って恋に落ちて、その日のうちに寝て、それからだんだんお互いのことを知って、一週間目にこれからもよろしく、と二人でお祝いをする。初出の記載がないので、この作品がどういう発表のされ方をしたのかわからないんだけれど、雑誌掲載ならここで終わりだったんだろう。ところが、この本には続きがある。「二週間」「三週間」「一ヵ月後」。出会ってからの七日間が、裕也の一人称による夢見がちな乙女の日記風なのにひきかえ、その続きは妙にリアル。脚本を書くときの裕也は、気持ちの表と同時に裏も読む。そして話を組み立てる。自分の日常から話の種を拾って育てる。その時には、真樹雄のことをかまっていられない。真樹雄はそのことを知っているので、脚本ができるまでは、離れていようと提案する。そうして脚本は完成する。リアルな後半部分の方がずーっとロマンティックだと思う。この部分があるから剛さんの作品は面白い。脚本を書くときに裕也が思うことは、そのまま作者の考え方かもしれない。あとがきを読んでいてそう思いました。あとがきには映画に対する思いについて書かれていて興味深いです。
2005/02/18
■ 2005年02月18日 ■ただいま暴走中・・・
やらなくちゃいけないことを全部放り出して暴走中でございます。
でもそろそろ限界。目がね、すごく疲れるみたい。休ませないと。
というわけで、郵便物作成がいろいろと遅れていますが、
今週中にはなんとかしたいと思っています。
不義理をしています各方面もご容赦くださいませ。
一応、ちょこっと言い訳。
■ 2005年02月18日 ■<本>剛しいら『ドラマティックな七日間』
イラスト:須賀邦彦 (クリスタル文庫 ) 成美堂出版 2004/05出版
『ロマンティックな七日間』の続編。前作は裕也の一人称だったが、これは真樹雄の一人称。受け側の一人称ではさほど思わないのに、攻め側だと違和感があるのは何故だろう。作者の視点、読者の視点はやっぱり受け側に近いんだろうか。裕也が一目ぼれして、最高の恋人と思っている真樹雄の視点から見ると、意外と舞台裏は普通の男に見えてしまう。いろいろな行動の裏づけとなる感情が、一人称になると限定されてしまうからかもしれないな。
ロマンティックのあとはドラマティック。恋人同士になったあとのふたりは、今度は自分達の周囲の人間関係の中に場所を作り始める。仕事仲間と家族へのカミングアウトと、それぞれの仕事への反映。これを真樹雄視点で見ると、いささか強引なのが気になる。絵に描いたような最高の恋人ではなくて、普通の男。作者がそれをねらって、真樹雄の一人称にしたのだったら、すごいと思うんだけれど、そうでなかったら不完全燃焼な感じがするかも。
■ 2005年02月18日 ■<本>剛しいら『愛と恋の境界』
イラスト:亜樹良のりかず (Chocolat novels hyper ) 心交社 2004/07出版
題名のとおり境界ぎりぎり。ノベルズのレーベルがhyperなのでそうなっちゃうのかな。大学を卒業して就職をしても、田舎育ちの純朴さが消えない青年、皐(たかし)は、偶然知り合った志藤(しとう)に、会員制の高級倶楽部の仕事を紹介される。そこは地位とお金を持つ年上の会員が、才能があっても機会に恵まれない若者に援助を与える契約を結ぶ場だった・・・・
ありがちといえば、ありがちな設定なんだけれど、皐が矜持を失わない様子とか、志藤の屈折した性格と優しさ、倶楽部の華やかな客である松東谷(まっとうや)のゆがんだ性格が面白くて、危険度高くても優れた作品。おすすめ。
・・・だけれども、境界ぎりぎりのところで、自分の価値観を貫くみたいな話を山ほど書いていると、そのこと自体が堕落じゃないかと思ったりもする。そういう話を楽しむ読者もね。楽しみを何度も味わおうとすると楽しくなくなるのかもねー
■ 2005年02月18日 ■<本>剛しいら『今夜はのるぜ!』『今夜はきめるぜ!』
イラスト:ほたか乱 (アクアノベルズ ) オ−クラ出版 2002/06 2002/11 出版
こーれーはー『KIZUNA』だった。名前も乱丸だし。大学生のお見合いパーティーにサクラとして出席した乱丸は、理想が服を着て歩いているような菖蒲(しょうぶ)と出会い、10分後には個室にしけこんだ。ところが盛り上がったところで二人は重大な事実に気がついた。ふたりとも攻めだったのだ。どちらが優先権を主張するのか、そのつど勝負をすることになったのだが・・・というふうに、全編コメディタッチですすむんだけれど、きちんとプロットを練った話だった。お見合い船上パーティーに二人が借り出されたのは、実はそれぞれの実家がからんでのことだった。片方はヤクザの親分。片方は警視庁。まるでロミオとジュリエット。果たしてふたりはうまくいくのか?続編はヤクザの抗争にまきこまれて身代わりに誘拐された恋人をもう片方が救出に行く話。このへんがKIZUNA。ふたりともかっこよかった。SPのお兄さんもちょっとの出演なのにgood。
■ 2005年02月18日 ■<本>剛しいら『バブルウォーズ』
イラスト:かぐやま一穂 (リ−フノベルズ ) リ−フ出版(星雲社) 2001/05出版
これは大当たり。おもしろい。BLのリーマンもののラブコメなのに、すみずみまで行き届いた作り。ビール会社の新人営業の安曇は、終電に乗り損ねて泊まったビジネスホテルで一人の男と出会う。名前も名乗らず去っていった彼と安曇が再び出会ったのは・・・・という話。主役はその二人なんだけれど、安曇と同期の勲もまっすぐで気持ちのいい青年。取引先の時期社長の光輝も、ちゃらちゃらして見えるけれどなかなか食えないヤツ。この四人が仕事と恋で駆け引きをするんだけれど、スジが通っていて読んでいて気持ちがいい。何冊かごとにこういう作品に当たるので、読むのをやめられない。
2005/02/19
■ 2005年02月19日 ■<本>剛しいら『ライオンを抱いて』
イラスト:小笠原宇紀 (Chocolat novels hyper ) 心交社 2002/09出版
ハードボイルドタッチ。最高。キャラもストーリーも背景も小道具も。ノベルズの短い時間でもいろんなことが書けるんだ。と認識をあらたにしました。そして読んでも読んでも未読作品がなくならない。その上、毎月大量に新刊が出る。ちょっと幸せかも。
名門の家に生まれながら、その出自からあえて父親の会社を避けて警察に勤めた志宣(しのぶ)は、ある日公安部の依頼で新興のヤクザとの協力交渉に借り出される。単身その男の屋敷を訪ねた志宣が見たものは、屋敷の中の温室でライオンを飼う若い男だった。将英(しょうえい)と名乗る男は、志宣のことを囮と思い、ライオンの檻に閉じ込めるが・・・・本屋敷の敷地に建てられた別棟に志宣は優しい母と猫とひっそりと穏やかに暮らしている。しかし、志宣は死ぬことが怖くない。そんな志宣に将英は言う。「恐怖を感じないことを強いことだと勘違いするな。本物の勝者は生き残れるやつなんだぜ。」そして二人はお互いが似ていることに気がついた。志宣は自分にとって何が大事か考える。
読んでて谷崎さんの『眩暈』を思い出しました。花が咲いてるんですよ。(謎)
■ 2005年02月19日 ■<本>剛しいら『このままでいさせて』
イラスト:藤崎一也 (キャラ文庫 ) 徳間書店 1998/09出版
う。私はショタはだめ。加えて中学生の犯罪もだめ。子供のことを理解しない大人というのもだめだめ。
なので、評価外ですが、きちんとした作品でした。これは剛さんの五番目の本なので、素に近い要素が混ざってるかも。今ならそんなもの人目にさらさないでしょうけれど。剛さんの作品は、悪役を悪役として使いっぱなしにしないで、必ず背後の動機とか事情を書き込んで、人間として扱うんだけれど、この本は珍しく、親の描写に愛がなかったです。顔のない男シリーズに出てきた桐生監督がこんな初期の作品に出てきて、ワンショットで撮るとかなんとか言っていたわ。
(あらすじ)中学校で悪質ないじめと犯罪にまきこまれて家出した滴(しずく)は、大好きだった特撮のヒーローを演じた晃(あきら)の家を訪ねる。ブームが去って仕事もままならない晃は、そんな滴を家に置いて世話をしてやるうちに、自分の持っていた夢を思い出す。そしてふたりは互いに惹かれ合うようになるのだが・・・・