イラスト:華門 (Laqia super extra novels )ハイランド 2003/03 2003/09
続編『教授の華やかな悦び』と二冊まとめて読了。一冊目を読んでいて、通常の日記で感想を書くのはまずい分野に入っちゃったかな〜と思ったんだけれど、二冊目で許容範囲に落ち着きました。SとかMとか支配とか被支配とか。ペットとか家具とか奴隷とか。そういう道具立てを使いつつ、一般常識とは違うところに一貫した価値観を設定することができれば、お話としては成功してるんじゃないかと思いました。ただ、私が読んでても、この程度だとぬるいというのはわかる。本当の愛情や恋を、少しでも持ち出したら負けじゃないかしら。ドクター加藤のように、健全な世界には戻って来なかったけれど。この本はきちんと書かれた話ですが、真摯なお話も危ないお話も、同じレベルで書かれちゃうと、剛さんの本気はどこにあるんだ、と気になって他の本に手が伸びてしまうんでした。
いやあ、道具立てがすごいのに、文章が、細やかで、崩れないので、案外、下品にならず読めた。底辺に、崇高なる愛というのがあるからかもしれないけど。なぜ、そんなことで癒されるのかは分からないながら、納得してる自分がいる。きっと、癒されたいからだろう。
ところで、人間椅子とか、生き人形とかいったものは、そちらの世界の日常なんだろうか。うろ覚えながら、江戸川乱歩にあったような。歪んで、淫靡なのに、極めた世界が、あまりに凄惨に美しいので、清められる心というのも、いっそ納得できるのかもと思った。
そうは言っても、濃い〜よ。げっぷ。
私も、最初に読んだ時江戸川乱歩を思い出しました。おおもとはそこだと思うけれど、その後、そのスジの世界でどのような展開をしているのかは皆目わかりません。でも、考えてみると『人間椅子』読んだの多分、小学生の時。少年探偵団を読みつくして大人の文庫の手を出したんだろうなあ。意外と昔の方がぱっくりと落とし穴がいろんなところにあったのかも。(なんの?)
常識とか良識とかがキシキシ音を立てるような分野なんだけれど、それを忘れさせるくらいにきちんと書かれると、受け入れざるをえなくなる、そういう筆力を感じましたです。でも、こればっかりはそういう性向があるかなしかで、感想もまた変わってくると思うので難しいんですが。