よしもとばなな: イルカ



続けざまに書評を。ちょうど今日読み終わったのがこの本。

親元を離れ一人で暮らしている女性が主人公。小さい頃に負った心の傷を抱え、過敏な心を持ちつつも自分の殻を持っている主人公というのはよしもとばななの作品に共通する姿かな (ま、十把一絡げにするのはあまりにも乱暴だけど)。恋愛においても妙にさめた感じで本気になれないし、傷つくことをおそれすぎている主人公だけれど、五郎の人間性とかその後の展開によってちょっとずつあるがままの姿を受け入れられるようになるという前向きな感じはとても良いと思う。

これまで読んだ作品に比べるとちょっとインパクトが弱い気もするけど、よしもとばなな自身が妊娠していたときの感覚を書いたというのがとてもよく現れている本だと思う。

角田光代: さがしもの



角田光代の短編集。

主人公とその身近にある本が織りなすドラマというのがこの本のテーマとなっている。運命の本との出会い、呪いの本(?)の存在によって不幸になっていく女性、絶版になった本を探す話など、かなりバリエーションに富んでいるが、いずれも話の中心には「本」がある。女性が主人公となる話がほとんどなんだけど、例によって角田さんの描く女性というのは非常に写実的で、それでいて繊細な感じがしてとても良い。角田さん自身読書がとても好きだというのが伝わってくるのも、とても好感が持てる。

作品中で「読書のいいところというのは、ページをめくるだけでどんな世界へも瞬時に飛んでいけるところにある」というような話が出てくるんだけど、まさに同感。これは視覚に頼った芸術作品では味わえない感覚で、この独特の心地よさがあるからこそ読書を続けているというのは自分も一緒。テレビドラマや映画などもいいけど、やっぱりこういう感覚も大事にしなきゃいけないんじゃないかなぁ、と思う。

とても面白かったのだが、残念なことに、この本、ブックカバーごと紛失してしまった、、、。特にブックカバーは1年半ほど愛用してかなりお気に入りだっただけに、すごいショック。。。また新しいの買わないとなぁ、、、。

32歳と1日

日付上は昨日の話になりますが、32歳になりました。

若干波乱含みな誕生日となりましたが、まあ何はともあれ、こうして無事32年も生きてこられたことには感謝したいと思います。

しかし、30を超えてから本当に時間が経つのが早い。ぼやぼやしてるとすぐ40になってしまいそう。。。

日々精進ですな。

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