
続けざまに書評を。ちょうど今日読み終わったのがこの本。
親元を離れ一人で暮らしている女性が主人公。小さい頃に負った心の傷を抱え、過敏な心を持ちつつも自分の殻を持っている主人公というのはよしもとばななの作品に共通する姿かな (ま、十把一絡げにするのはあまりにも乱暴だけど)。恋愛においても妙にさめた感じで本気になれないし、傷つくことをおそれすぎている主人公だけれど、五郎の人間性とかその後の展開によってちょっとずつあるがままの姿を受け入れられるようになるという前向きな感じはとても良いと思う。
これまで読んだ作品に比べるとちょっとインパクトが弱い気もするけど、よしもとばなな自身が妊娠していたときの感覚を書いたというのがとてもよく現れている本だと思う。