Build My Home 



賃貸住宅返却時の法律
平成元年11月より約10年間居住したコーポを引き払うにあたって、いちばん気になるのが、敷金がいくら返ってくるだろうか?ということ。このX−DAYを想定し、住宅着工の頃からいろいろと法律知識を仕入れていました。尚、二子不動産の賃貸契約書を見ると
・建物賃貸契約書の特約事項には
通常使用以上の損傷ある場合は賃借人の費用負担で修復すること。
・重要事項説明書には 通常使用以上の損傷ある「場合は借主の費用で修復すること。
・入居者厳守事項等には 退去時借主は畳や襖壁紙等の建具、内装、各設備について損傷部分の修復を行い、その原状回復の費用については実費精算か業者の見積もり代金により負担する。
とあり、いずれも入居時に署名捺印をしています。
契約書には敷金3ヶ月分のうち1ヶ月を差し引いて返却すると明記してあり、その件については納得のうえで署名捺印をしています。

ここで問題となるのが、「原状回復」と言う言葉の定義になってきます。色々な文献、インターネットで検索した情報によると、原状回復とは賃借人が借りた当時の状態に戻すということではないとなっています。詳しくは国土交通省住宅局のHP「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」書かれてあります。

岡山市内で賃貸マンション・ビルなどを経営されてる友人よりアドバイスをいただきましたので紹介します。
民法で言う「原状回復義務」は「原状」です。「原状」とはまっさらの状態ではありません。自然損耗は外します。 善管注意義務違反があった場合のみ原状回復義務が生じます。したがってこのHPに書いてある通り敷金は全額返還されるべきで正しいと思います。根拠的にもう少し補足するとすれば善管注意義務違反は一切無かったので原状回復にかかわる損害補填義務は発生せず約定敷金返金額は満額返金されるべき。 善管注意義務は案外きついのですが賃貸借期間10年ということで殆どのケースは家賃による補填済み扱いになると思います。善管注意義務とは善良なる管理者の注意をもって使う義務。例えば、「自分の家のように大切に使いました。」これは未だ善管注意には足りません。「人様の物を預かるように大切に保管使用しました。」これが善管注意義務です。 悪徳業者&家主は、すべて原状回復で弁償しろ、とよく言いますが法的には、善管注意義務違反があった場合のみです。自然損耗かどうかの判断は簡単です。他の方が使っても同じように損耗するであろう部分はすべて自然損耗です。家具の痕、壁クロスへの家具の日焼け痕、畳のすり切れ、年月により落ちない手垢等。自然損耗でないのは、タバコで畳をこがした破損や故意過失問わず生じた通常使用
を越える使用による毀損や汚損などです。

賃貸住宅返却時のトラブル
さて今回約10年間居住したグランドハイツ西川A101号室を管理会社二子不動産塩見満氏立ち会いのもと返却しましたが、塩見氏は「契約書に書いてある通り返却時は借りた当時の状態に戻すのが普通で、その費用についてはいままでも賃借人に負担してもらっている」と平然と言ったもんだからこちらも上記の法解釈、判例、建設省住宅局の内容から「そのような要求は一切受け入れられない、敷金の満額返却が無い場合には少額訴訟をしてでも全額返して頂きます」と言わせて頂きました。塩見氏は「賃借期間が10年と長いので大家さんと相談してみますと」その場は終わりました。
私としてはそれでは納まらないので、その足で石関町にある「岡山県消費生活センター」рQ26−0999へ相談に行き、契約書のコピー、経過説明を行った後、相談員の意見を聞いたところ、「あなたの主張は全て正しいです、もし話がこじれるようなら少額訴訟を起こした方がいちばん話が早く解決します」と少額訴訟を薦められました。少額訴訟の仕組みについて、説明していたら長くなるので、下記HPを参照してみて下さい。

ここでちょっと待った!、引っ越したといえ、大家さんとは同じ町内、いくら法的に正しいと言っても話がこじれたら今後の近所づきあいにも支障がでるし、家に電話を入れたら、さっき大家さんが新築祝いを持ってきたというし。。。とりあえず夕食後、大家さんのうちに行って事情を説明することにしました。大家さんと話をした感触としては、そのあたりのことは十分理解しているが、賃借人の無知をいいことに今まで慣行としてそうしていたというのが感じとれた。実際、「修繕費は全額損金で落とせるから」と言うのを聞いたし。結論としては大家さんが10年という長期間賃貸してくれたのでクロス・畳の修繕費は全て負担してくれるということで話がまとまりました。しかし、退去後15日をすぎた現在、まだ敷金は返却されていません。

平成11年4月23日、やっと敷金が返ってきました。但し最初の契約通り1ヶ月の敷き引き分と水道が漏っていたのをなおした費用約15,000円を差し引かれていました。まあこの金額ならしゃーないかと今回の件はこれで終了します。

敷金解約時のトラブルについて参照したHP
敷金返金のトラブル
退去時精算のトラブル
日本賃貸住宅指導協会

少額訴訟について参照したHP
少額訴訟マニュアル
少額訴訟手続きについて
少額訴訟賃貸住宅編

CONTENTS


This site is best viewed with newest version of Netscape Navigator.
Last update :15.Jun.2002

Copyright 1998 by ms-project All right reserved.