軽はずみな政治

最近の一連のごたごたを見ていると、政治が政治家自身の手でどんどん軽いものにされてしまっているような気がしてならない。

軽はずみに辞任してしまう首相。
軽はずみに大連立なんて提案し出す首相。
軽はずみに受け入れてしまう党首。
結果、党員に受け入れられずに軽はずみに辞意を表明する党首。
おまけに軽はずみに不適切な発言を繰り返す法務大臣。

何というか、本当に国をよくしようという気があるのか、疑念を抱かざるを得ない。

そもそも大連立という発想が頂けない。ねじれ国会では法案が全然通らないことが問題だというのはよく分かる。が、それを解決するのに安易に連立しちゃえと言うのは、あまりにお粗末。

本来、大連立というのは相当重い決断になるはずであり、八方手を尽くした末の最後の切り札となるべき。そんな切り札をいきなり最初から使ってしまうというような、問題解決能力に欠けた人々が政治を動かしていると考えるとぞっとしてしまう。

個人的には、このねじれ状態というのは実は日本の政治を成熟させるいいきっかけになるんじゃないかと思っていた。これまでの日本の政治は、政権与党が提出した法案はいつも成立し、野党はそれに対してひたすら反対の声を上げることでのみ存在意義を確立してきた。法案が成立するかしないかが党内の調整によってのみ決まるというのはあまりにも不透明。密室で決められたものが、形だけの議論をして結局ほとんど修正されないまま通過してしまうなんて言う状況を目の当たりにさせられると、結局国民には主権なんてものはないんじゃないかと錯覚してしまう。こうしてねじれた状態が続けば、与党も野党もオープンな場で真剣に議論を繰り広げ、そして国民の意見を問いながら本当に国民のためになる選択肢を選ばざるを得ないようにもなるかも知れないし、現状を打破するきっかけになってくれるんじゃないかと思っていた。(実際そうなるか、といわれるとちょっと懐疑的だけど。)

大連立という発想は、この考え方に真っ向から反発するものだ。要は、通らないなら抱き込んじゃえ、そしてあとは密室で決めればいいじゃん、という不遜はななだしい考え方であり、国民を馬鹿にしているとしか思えない。

そして、本来自民党と対峙すべき民主党の長である小沢さんが、自分の党の存在意義や民主党に投票してくれた有権者の存在すらも忘れて簡単に大連立を受け入れてしまったというのも、何とも情けない。

結局、誰も真面目に政治をやろうとしていないと言うことか。

ほんとにがっかり。今までのどんな政治判断よりもがっかり。

ま、それでも民主党が党として大連立を拒否したというのが唯一の救いかな。とはいえ、もはや民主党を応援する気にもならないのだけど、、、。

安倍さんの辞任

昼過ぎに突如飛び込んできた衝撃的なニュース。

このニュースを聞いた直後は「何で?」という思いしかなかったのだが、冷静に考えてみるとこの異常事態が引き起これされたのにはやっぱりそれなりの差し迫った理由があったのだろうと思う。

このところの安倍さんへの風当たりは本当に強かったはず。もちろん安倍さんが至らなかったからこそ批判されたこともたくさんあったはずだけど、それと同じくらい不可抗力というか安倍さんの意図とは関係のないところで批判の矢面に立たされたことによって、ある意味事切れてしまったんだろうと思う。

小泉さんが確立した改革路線を踏襲し新しい自民党を作り上げるという理想を目指してスタートした安倍政権。路線は間違っていなかったと思うが、個人的には、小泉さんの取ってきた手法まで真似て取り入れてしまったところが最初で最大の誤りだったんだろうと思っている。パフォーマンス大好きの小泉さんと地味で裏方作業の方が似合う安倍さんでは当然やり方も異なってしかるべきなのだけど、結局ここで自分なりのやり方を模索できなかったのが問題がここまで大きくなってしまった最大の原因なのではないだろうか。同じ行動でもキャラが違えば捉えられ方も違ってくると言うことに安倍さんは気づいてたんだろうか。それと、小泉さんは自分のやり方を貫いていた分、問題が起こった際の対処も平然とこなしていたが、安倍さんはそれができず、対応が後手後手に回ってしまったのもまずかったのだろう。

不可抗力という意味では、やっぱり何とか還元水に端を発する閣僚の不祥事だろう。変えても変えても次から次へと不祥事が出てくる閣僚もどうかと思うが、この流れの中で、目先の利益を追いかけて、重箱の隅をつついた者勝ちみたいになっていたマスメディアの対応も相当悪かったと思う。実際、物事をすべて悪い方向に捉えてネガティブ・シンキングを垂れ流すような論調を見ていると、ちょっとやりすぎだろうと思わざるを得ないことも多々あった。

とはいえ、任を受けたからには最後まで職務を全うする覚悟があってしかるべきだし、今回の辞任によって政局のみならず行政実務レベルでも停滞が発生してしまうことも想定されるわけで、途中で辞めざるを得なかった安倍さんの責任、そして安倍さんを圧倒的多数の支持により選任した自由民主党の責任は極めて重いと思う。

ま、何にせよ自分は安倍さんが一政治家として必要とされる場面はまた来るだろうと思っているし、今はちょっと危ない状態なんじゃないかとも思っているので、まずはゆっくり英気を養って今後に備えてもらいたいと思う。

しかし、この次は誰がやるんだろうか、、、。麻生さんが有力という話も出てるみたいだけど、今総理になるのは火中の栗を拾うようなものだよな、、、。

衆議院議員選挙

まだ投票が締め切られたばかりだが、どの局を見ても自民党が300議席を超える圧勝とのこと。

ま、今回の結果は、小泉さんのもとで郵政民営化および政治改革を進めて欲しいと言う国民の声が表われた結果なのかな。

民主党がこれだけ後退するとは予測できなかったが、これもやはり小泉さんに持って行かれたということだろう。郵政民営化の是非という分かりやすいテーマを掲げた小泉自民党に対し、民主党の争点はややぼやけていたのかも知れない。

とにかく財政赤字ばかりが拡大していく今の日本を何としてでも救わなければならないし、その第一歩がまず政官の構造改革であって、着手が遅れれば遅れる程、将来の痛みが増すことは明らかなので、選挙後の政権には何としても成果を出して欲しいと思う。

東京18区

わが府中市の所属する東京18区。以下の方々が立候補している (届け出順、敬称略)。
  • 宮本 徹 (共産・新)
  • 菅 直人 (民主・現)
  • 土屋 正忠 (自民・新)

前回 (菅さん vs 鳩山さんの対決) に引き続き、今回もガチンコ勝負ということで注目を集めている模様。

菅さんは皆さん知っている通り、かつて厚生大臣時代に薬害エイズ訴訟で初めて国の責任を認めたり、その後民主党党首として第一野党を引っ張って来たという実績がある。一方の土屋さんは武蔵野市長を長きに渡ってつとめ、この間「ムーバス」の実現をはじめ地方行政のあり方を問いつづけ、いろいろな改革を実現してきたという実績がある。そして面白いのは、2人とも地元 (といっても武蔵野市だが) に根ざした活動を続けて来たということ。その意味で、今回、果たしてどちらの候補者が地元の支持をより集めることになるのか、非常に興味深い。

個人的にも両者のどちらを応援すべきなのか、悩ましいところ。

ま、これだけ世間が注目している選挙というのも近年稀なので、どんな結果が出るのか、成り行きを見守りたい。

東京都議会議員選挙

いやー、近年稀に見る、盛り上がりに欠ける選挙戦。

もちろん候補者の皆さんは一生懸命政策を訴えていらっしゃるし、それを全然咀嚼できていない自分が悪いのは確かなんだけど、正直 石原 vs 反石原 という点しか浮き上がってきませんでした。

ニュースとか見ていると、今回に限っては盛り上がっていないのは自分だけではないようで。

しかし、府中選挙区の当落の境目はたった28票差ですか。。。ものすごい僅差。こんなこともあるもんなんだねぇ。

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