
東野圭吾の短編集。
全部で13編収録されているが、どれもブラックでシニカルで、それでいてユーモラス。東野圭吾というとミステリーのイメージがあるが、コメディを書いてもこれだけ面白いというのはさすが。
最初の4編は連作になっていて、売れない俗物作家、その面倒を見る出版社の俗物編集員、そして新人賞を取ったぐらいで勘違いしちゃっている新人作家の織りなすいけてないっぷりはかなり面白い。他にも「モテモテスプレー」のかわいそうな主人公とか、シンデレラの主人公を白夜行の雪穂ばりの悪女に仕立てた「シンデレラ白夜行」(タイトルが絶妙) とか、どれも大変面白かった。
少々下ネタに走っていたり、女性が読むと不快に思うんじゃないかと思えるような箇所もあったりするが、全体的にはとてもよくできた作品だと思う。
実はシリーズものの第3作らしいので、前作も是非読んでみたい。