恩田陸をスターダムに押し上げた作品。
舞台はとある高校。難しい関係にある2人の主人公が、歩行祭というイベントの中でわだかまりを解いていき、互いに理解し合うという内容。
高校生らしい感情がとても生き生きと描写されているので、とても共感がもてる。読んでいると「そういえばこんなこと考えてた時期もあったなぁ」というフラッシュバックのような感情を巻き起こす彼女の表現力というのはすごいと思う。
ストーリーや話の盛り上げ方にも最近の注意が払われていて、この作品を通してずっと興味を持って読み進めることができる。
「歩行祭」という特殊なシチュエーションに依存しすぎる部分もないことはないが、でも自分の高校の時の話でいえばスキーとか秋川とか (ってローカルネタだが) に置き換えて読んでいくと、とてもリアリティがあるなぁと思う。
かなりよい作品。
＃ ライオンハートよりも確実に数段上。