
現在スピリッツで「THE 3名様」を連載中の石原まこちんが初めて小説に挑んだというこの作品。「THE 3名様」は脱力系ギャグマンガ (?) として地味な人気を博しており、実写版 DVD も出ているほど。実際自分もこのマンガ結構好きだし、この前読んだ劇団ひとりの小説がとても面白かったので、今回も期待して読んでみることにした。
内容は、レンタルビデオ屋でバイトするほぼニート状態の主人公が、妄想をふくらませながら繰り広げる淡い恋の話。
全体的に単調なのだが、思わぬどんでん返しが何ヶ所かに仕掛けられている。どんでんの返し方 (って日本語としておかしいな) が「THE 3名様」でもたびたび使われるようなシュールでキレが鋭い展開を演出しているため、単調さすらも必要悪に思えてくる、という感じ。
ただ、小説として見た場合には、文章が読みづらいところもある。短編マンガである「THE 3名様」では効果を発揮している文体ではあるのだが、ちょっと小説として読むと洗練されていないなぁと感じてしまう。内容は悪くないだけにちょっと残念。
10点満点で5点くらいかな。