
かなーり前に購入し、実際2話まで読んでおきながら紛失してしまい、その後放置してしまっていたこの作品。ふとしたことから見つかったので、続きを読んでみた。
この本は3つの短編から構成されており、それぞれが身近な人の死というつらい現実を目の当たりにし、絶望感に襲われながらも、支えてくれる人達のおかげで死そのものを受けいれ、段々と立ち直っていくというテーマで書かれている。
自分はこれ程辛い経験をしたことがないので想像でしかないのだが、絶望を感じた人がその時点で思考を止めてしまうというのはなんとなく分かる気がするなぁ。問題はそこからまた動きだすことが出来るか、と言う点にある訳だが、周囲の助けを借りながら少しずつ日常を取りもどしていく様子が非常によく描写されている。
自分の中にある悲しい気持ちが呼び起こされるが、でも読んだ後は意外とすっきりとする作品。
10点満点で8.5点くらいかな。