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村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」



「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」という全く2つのお話が同時に進んでいくのだが、しかし、読み進めるにつれ、この2つのつながりが段々分かってくるという不思議な構成のお話。

結論から言うと、素晴らしい。もう、びっくりするくらい面白かった。普段は電車の中でしか本を読まないのだけど、続きが読みたくなって寝る前にひたすら読んだりしてしまった。

村上春樹という作家のアイデンティティがすべてこの作品に凝縮されているようにも感じた。

村上作品では、「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」「アフターダーク」のような、一見揺れやすく思えるが実は揺るぎない人間の「心」を取扱った作品が多い訳だが、そう考えると、これらの作品のベースになっているのが実は「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」であるのだろうという気がする。

ストーリーも非の打ちどころがない。端々に表われているセンテンスの素晴らしいし、メッセージ性も強い。更に登場人物の charactaristics も秀逸。本当に完璧な作品。

文句無しで10点満点。

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