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黒野伸一: 坂本ミキ、14歳。



主人公は中学2年の女子。両親に子供4人、そしておばあちゃんの7人という今時にしては大家族の坂本家。しかし父親はニート、長姉は学生ながら彼氏の家に入り浸って帰ってこない、次姉は精神的にちょっと病んでいる、そして弟はいじめに遭っているというやっかいな家庭環境で一人冷静に物事を判断し、中学生のくせにかなり浮世離れしている主人公。そんな主人公も女子中学生なだけ会って多感な周りのクラスメートに振り回されながらも、たくましく生きている。

いじめとか、若く多感な時期に自分を見失ってしまう様子とか、それを処理しきれない周りの大人への思いなど、こういう中学生に特有の不安定な感情をうまく描写していてかなり感情移入できた。こうしたテーマは重くなりがちだが、なかなかどうして明るい漢字で書かれているのも好感が持てる。文体も読みやすかったのですらすら読めた。

軽い感じではあったけど、なかなか面白かった。

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