<< 五十嵐貴久: Fake | main | 東野圭吾: 嘘をもうひとつだけ >>

最近のニュースから

最近気になっているニュースに対し、いくつかコメントを。

(1) 金融不安

Lehman Brothers の破綻に端を発する今回の金融不安。アメリカ政府による7000億ドルの公的資金投入にも依然根強い反対意見があるようで、この先まだまだ不透明な感じが否めない。

そもそも、これは前々から感じていたことなんだけど、いまの世界の金融市場って、実体のないバーチャルなものを取引して儲けを生もうとする構造がとても顕著で、ある意味行きすぎているように感じていた。商取引とは信用を取引することでもあり、手元に現物がなくても相手を信用することで取引が出来る仕組みというのはよく考えたものだと改めて思うし、こうした金融派生商品が市場の安定化に貢献してきた側面も非常によく分かる。ただ、昨今の状況を見ていると、素人の直感としては、バーチャルに傾倒しすぎてたんじゃないかと思う。現物取引であればある程度理解の範囲内に収まりそうな気がするが、リスクとか不安とかといったものは測定しようがないだけに、価格もあってないようなものだろう。こうしたものの取引が実生活を駆逐するような経済というのはどう考えても健全ではない。

市場原理主義にたてば「それを利用したものが勝ち」ということになるんだろうけど、一般市民の生活を無視して経済が成り立つことはないだけに、ある程度の規制は必要だろう。その意味で、空売りを抑制する動きが出たのは1つのいい兆しかも知れない。今後は今回の反省を元に、行きすぎたバーチャル経済を抑制する仕組みが導入されればいいな、と思う。

(2) 失言

中山前国交相の失言については擁護のしようもないほど情けないが、報道されている事実に対し、2点ほど違和感を感じているところがある。

- 叩かれた後さらに言った「日教組をぶっ壊す」を失言として捉えているメディアがあるが、これはお門違い。中山さんは文部科学大臣として日教組を何とかしないとという思いがあってぶっ壊すと発言した訳で、これ自体が悪いわけではない。問題は日教組が癌だとする根拠を示さず、思いこみで具体的な県名を挙げて虚偽の事実をでっち上げたことにあり、これこそがやり玉に挙げられるべき。そちらを取り上げず表面的でセンセーショナルな発言だけが報道されているように感じてならない。

- で、こうした失言なんかが出る度に出てくる「任命責任」という言葉が未だに分からない。そんなものを追及してどうするんだろうか。この言葉は辞任されちゃうとつつくところがなくなるもんだから無理矢理出してきたようなものと理解しているが、毎度毎度任命責任という言葉ばかり聞かされるとちょっとうんざりする。

(3) 小泉さん

政治の話に関連して最近びっくりしたことと言えばやはり小泉さんの引退。その小泉さんが「痛みを伴う」といってはじめた構造改革が今改めてかなり叩かれている。一般市民の暮らしがじり貧だというのは分からないでもないが、それを小泉さんの構造改革に転嫁して叩くというのは、それこそ抵抗勢力の思うつぼではないか。社会保険庁や農林水産省のような硬直化した官僚組織がもたらした災禍を否定的に報じる一方で、それを是正しようとする動きすら否定するのでは、では一体何をすれば満足するというのだろうか。

(4) 麻生さん

自民党総裁選では公共事業への拠出を容認する立場の麻生さんが当選して総理大臣となったわけだけど、本当に公共事業で景気が高揚するのだろうか。極めて限定された土木関係者が潤うだけ何じゃないだろうか。田中角栄の時代と同じような政策をしてても何も解決しないと思うのは自分だけだろうか。どうせお金を使うなら、旧態依然とした産業を維持するのに使うのではなく、新しい産業を創生するような事業に多額の投資をして欲しいところだ。

(5) 小渕さん

新内閣の話では、小渕優子氏の閣僚入りは正直かなり驚いた。が、この人、今まで何か成果挙げてきたのかな。今でも覚えているのは、亡くなったお父さんの地盤を継いで衆院選に立候補したときの彼女の振るまい。「国民のために」といった発言は一切なく「父親のためにも当選させて欲しい」とか自分の身の回りのことしか発言しないという姿勢が目立ち、かなり嫌悪感を覚えた (まあ報道されなかっただけかも知れないが) 。あれからだいぶ立ったけど、少しは政治家としての自覚は出たんだろうか、、、。

コメント
コメントする







calendar
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< March 2010 >>
コメントリスト