
宮部みゆきの比較的初期の短編集。
この本では一貫して不思議な現象を扱っている。超常現象あり、SFあり、そして不思議な話と見せかけて実はトリックのある話など、バラエティに富んでいる。初期ながら、宮部みゆきの読みやすさは健在だし、それぞれをとても面白く読めた。特に最後の「たった一人」は、最も長い (100ページぐらい) というのもあるがとにかく内容が秀逸。盛り上がりもあるし、メッセージ性も高い。
宮部といえば、時代ものではよく不思議現象を扱ったりするが、現代物でもこういう作品を書いていたんだなぁ、とちょっと意外に思った。が、舞台が現代なだけで、宮部らしいタッチは相変わらずなので、すんなりと受け入れることが出来た。
これもなかなか面白かった。
# いつも書いているが、ほんとに宮部作品には外れらしい外れはないよなぁ。