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石持浅海: セリヌンティウスの舟



石持浅海を読むのはこれが2冊目。

ダイビングに出たものの海が大時化になり、辛うじて生き延びたダイバー6人。それまで特に深い知り合いではなかった6人が、この事件をきっかけにお互いを深く理解し合うようになる。そんな中、ダイビングに行った帰りに、メンバーの1人の家で飲み明かした6人。そのうちの1人が青酸カリで自殺することになるのだが、そこには少々不可解な点が、、、。しかしそれでもメンバーを信じ合い、そこに悪意のはいる余地がなかったことを信じ込もうとする5人。論理と論理が激しくぶつかり合った末に出た結論とは、、、。

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かなりきれい事ばっかり言っている上に登場人物がみんな論理的すぎる。お互いを信じ合えるからこその美しさを描きたかったというのはよく分かるんだけど、まるで現実味がない。そりゃ、これだけの経験をすればこういう状況に陥るのかも知れないけど、発想が突飛すぎて想像の域にすら入ってこない。絵に描いた餅というのはまさにこのことだろう。最後の結論に至る所はまあよかったが、そこに至るまでもまどろっこしすぎて読んでいてちょっと苦痛 (もっともこのまどろっこしさがなければそもそもこの作品は成立しない訳なんだけど)。

想像していた内容とも全然違ったし、かなり期待はずれ。がっかり。

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