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スティーブン・ロー: 北極の北には何がある? (中山元・訳)



かなり前に買ったまま「積ん読」になっていた本。

副題が「『考える脳』を作る哲学トレーニング19」となっているように、哲学について考える本。実はこの分野は自分の最も苦手とする分野で、センター試験でも大変な苦労を強いられた。が、いつまでも苦手のままじゃいかんよな、と一念発起してこの本を購入してはや2年。。。ようやく読む気になったという次第。

この本を読むまで、「哲学」と「論理学」と「倫理」の違いがいまいちよく分かっていなかった。読後の自分の理解では、
「哲学」とは、物理学では答えを出すことの出来ないあらゆる問題に対する答えを考える学問

「論理学」は命題が真であるか否かを、前提条件から文字通り論理的に判断するものである、哲学的な判断のためのツールとして用いられる

「倫理」は「哲学」と似ているが、哲学が普遍的な真実を追究するのに対して、倫理はその人の個人的・文化的・宗教的な背景から善悪を記したもの

という感じだろうか。倫理観というのは個人によって異なるが、哲学はそんな背景をも超越したフィールドで、正しいか正しくないかという答えを出すことを目的としている。

この本で扱っているテーマも多岐にわたっていて、たとえば

- 宇宙の始まりはどこなのか?
- 人間の「意識」って何を指すんだろう?
- 芸術とは何か?
- 知識とは何か?

等々、興味深いトピックを物語ベースでわかりやすく説明してくれている。しかも、読者に考えることを強いるので、より理解度が増すように工夫されている。

我々は普段、物理学的に正しいことは正しいと信じて生きているわけだけど、それは必ずしも普遍的に正しいことというわけではないという点は、常に心の片隅において生活するというのも重要なのかも。

難しかったけどなかなか面白かった。

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