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京極夏彦「巷説百物語」

本当はあんまり時代小説って好きではないんだけど、この続編が直木賞をとったということもあり、読んでみることにした。

余計な先入観を持たずに読みはじめた。内容的には「怪談」となっているし、ほんとに恐い話なのだと思って読んでいたら、最初の編を読んで「あれ?」という意外な感じ。怪談と言うよりは、推理小説に近い感じだね。怪談をうまく利用した時代劇的推理小説とでも言った方がいいのか。江戸時代ということでこういった怪談的なものを盲目的に信じる庶民がいる中で、現代人的、あるいは「科学的」視点で物事を分析し、このギャップをうまく利用して悪事を働くやつらをやっつけていく、というのはヒーローものの要素も含まれていて、また爽快な感じがした。

ただの時代劇、あるいはただの怪談もの、と思って読んではいけない作品だ。これなら直木賞と取ったのもよく分かる。とにかく先が読みたくなる作品だ。

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