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石持浅海「扉は閉ざされたまま」



大学時代のサークルの後輩に殺意を抱く主人公・伏見が、久々に開かれた泊まりでの同窓会を利用して殺害を実行する。うまく密室殺人を遂行できたと思いきや、参加者の1人である優佳だけが徐々に疑念を抱き、やがて追いつめられていく伏見。頭脳明晰な優佳により徐々に全貌が明らかにされていくとともに、伏見と優佳の過去も明らかになっていき、、、という感じのお話。

解説にもあるように、この作品は殺害現場がまず最初に描画され、徐々に犯人が追いつめられていくという、いわゆる「古畑任三郎」タイプの展開が繰り広げられている。トリックもさることながら、登場人物の細かい挙動をうまく描かれているし、それを伏見なり優佳なりが的確に拾い上げていくことによってストーリーが展開していくというのはなかなか面白い。

ただ、どうも無理があるんだよなぁ、、、。始めにストーリーありきで、それを伏見と優佳のどちらに暴かせるかという書き方をしているのが見えてしまうし、それだけに伏見や優佳が超人的に描かれすぎている感を持ってしまう。動機についても、はっきりいってこんな簡単な理由で殺人を犯すかという想いがぬぐえない (そもそも現実的に考えたら、そこまで潔癖なんだったら、ここに至る前に人生が破綻していそうだし)。

期待が大きかっただけにちょっと残念。

ま、でもエンターテインメントとしては楽しめたかな。ドラマの原作としてはちょうどいい感じ (って実際ドラマ化されるらしいが)。

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