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伊坂幸太郎「死神の精度」



久々の伊坂幸太郎。前々から読みたいと思っていた作品が文庫で出ていたので、迷うことなく即決。

伊坂にしては珍しい短編集。タイトルにもあるようにこの作品集では一貫して「死神」が主人公。サラリーマンとも官僚とも取れるような死神という職業をこなしている主人公。ターゲット、死ぬ時期、死因などはすべて別の部署で選ばれるということで、この主人公の仕事は不運なターゲットと死の8日前からコンタクトを取り、観察した上で死なせるべきか否かを上へ報告するところまでということになる。

全体的な感想としては、良くも悪くも伊坂作品というところか。死神は人間の格好をしているが人間ではないし、人間を超越した存在から見た人間の死について扱っているという何ともハードボイルド然とした感じは伊坂作品全体に通じるところがある。それでいて、若干ファンタジックなところもあるし、最後の「死神対老女」の結末なんか「あ!」という感じでなかなかよかった。

最初からの期待値が高すぎた分ちょっと感動は薄かったし、若干狙い過ぎな感じがしないでもないが、まあそれなりに面白かったかな。ただ、伊坂作品を読んだことない人や、伊坂が苦手な人にはちょっと厳しいかも。

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