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乾くるみ「イニシエーション・ラブ」



本屋で平積みになっていた本。カバーに「最後から2行目で、本書ははっタク違った物語に変貌する。」と書いてあったのでかなり興味を持って読んでみることにした。

で、読んでみると、これまであまりもてた経験のない大学生が初めて経験した恋愛を赤裸々に綴った恋愛小説。はっきり言って非常に平凡。まあこういう甘酸っぱい経験もあるよなーとか、何もこんなところを生々しく描写しなくても、と思ったし、肝心の最後から2行目についても、正直意味はよく分からなかった。

が、、、。

いやー、やられた。

この本が「ミステリー」に分類される作品だと言うことをすっかり忘れていた。

読了してもまだトリックが分からず、ネットでネタバレサイトをみてようやく衝撃の事実に気づいたという次第。

この本の本当の主人公は繭子だったんだねー。

あなおそろしや。

帯に「必ず二回読みたくなる」と書いてあるけど、ほんとトリックが分かってしまうともう1回読みたくなる。特に、Side-A での繭子の心理状態を考えながら読むときっとほんとに空恐ろしい気分になるんだろう。

終始だらだらした恋愛小説然としているので、はっきりいって読むのはかったるいけど、その先の衝撃を考えると読む価値はすごくある。

やられた感では今年読んだ作品では一番だったかも。

ぜひ先入観なしに一度読んでもらって、わからなければネットで調べるという読み方をしてもらえれば、と思います。

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