
去年ぐらいに読んだマンガ「月館の殺人」に関連して NULL ちゃんが氏の作品を結構薦めていたこともあって、綾辻作品がちょっと気にはなっていたのだけど、最近新装刊ということで本屋で平積みになっていたのを発見し、手に取ってみた。
舞台は九州の海に浮かぶ島。半年前まで住人が暮らしていたのだが、謎の事件により一家が焼死し、無人島と化してしまったいわくつきの島。そこで大学のミステリー愛好家サークルのメンバーが合宿をすることになるのだが、この島に唯一残された建物「十角館」で次々とメンバーが殺されていく。孤島で本土との連絡も取れない中、一人、また一人とメンバーが減っていき、、、。そして最後には衝撃のどんでん返し。これには本当にびっくりした。帯に「"たった1行" が世界を変える」と書いてあるけど、p.402 の1行は「えーっ」と思ってしまった。
いやー、すごい。ここだけでも読む価値はあると思う。
最初は「エラリイだのポウだのめんどくさいなぁ」と思っていたけど、そんなことも忘れさせる程の衝撃。というか、これも伏線だったのかと思うと余計に感服してしまう。
今回読んだのは新装改訂版ということで、オリジナルからは表現方法とかちょっと手を入れていると言うことではあるが、それでもこの作品がいきなり出てきたらさぞびっくりするだろうし、一大ムーブメントの原点となったというのもよく分かる。
久々に度肝を抜かれた作品だった。
実は綾辻行人とか、氏に始まる「新本格」とか、ちょっと前まで全然知らなかったんだよねー。この頃は吉川英治とか童門冬二とかの歴史小説とかが好きだった気がします。これだけの一大ムーブメントを知らなかったのは誠に恥ずかしい限りだけど、十角館もなかなか面白かったので、これからちょっとずつ読んでみようかと思います。