
お笑いコンビ麒麟のつっこみ、田村裕が自身の子供の頃の壮絶な貧乏生活について書いた半生伝的作品。
いやー、すごい。中学生でホームレスになりながらもしぶとく生きながらえ、周りの人間に支えられながら徐々に人間らしい生活に戻っていく姿は圧巻。特にホームレス時代のエピソードはあまりに衝撃的。人間追い込まれたらどんなことでもするんだろうけど、それにしてもとても逞しい。自分が同じ状況に置かれたら、そのままのたれ死んでしまうだろうなぁ、と思いながら読んでました。
貧乏生活だけじゃなくて、小さい頃に無くした母の思い出とか、生きる意味を失いかけていたときに出会った学校の先生からの手紙とか、心温まるエピソードがいくつも散りばめられている。
ここのところの芸人本ブームにはちょっと食傷気味だけど、この本はまた違った毛色でとてもおもしろかった。