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浅田次郎「憑神」



時は江戸末期。才能はあるが運に恵まれない武家の次男坊が、いわくつきの祠を拝んでしまったことから災難に降りかかられながらも、自分の生き方を見いだしていく、という感じのお話。

うーん、ちょっと甘っちょろいんだよなぁ、、、。憑いてくる神がことごとくいい人すぎるし、千年に一度のわざと言いながらみんなそれを使おうとしたりするし、、、。最後も急に血なまぐさくなってきたりして、前 2/3 と後ろ 1/3 で話の調子が大きく変わってたりするのもいただけない。また、武士としての生き方みたいな堅いテーマと浅田次郎特有のユーモラスなところが妙にかみ合ってなくて、どっちつかずの中途半端になってるところも残念。

「椿山課長…」でも感じでいたちょっとした違和感をこの作品でも感じてしまったと言うことは、自分には浅田次郎は肌に合わないのかも。

時代物としても、この直前に読んだ宮部みゆきと比べるとちょっと劣るかな。ま、時代考証はかなりしっかりしている印象を受けたけど。

ま、とはいえ、ここまでかなりこき下ろしておいて何だけど、そんなに言うほど悪い作品ではないけどね…。この作品がこれだけ売れていて評価されていることで、かなり厳しい評価になってるとお考えいただければ、と。

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