
巷説百物語シリーズ第3弾にして直木賞受賞作がついに文庫化。
「続巷説…」で話が完全に終わったよう見えたので、どういうつながり方をするのかと思っていたら、登場人物は大きく様変わりし、時代も一気に30年ほど飛んだ明治初期という設定に。ただ、主人公である百介や、重要なキーパーソンである又市が絡んでくるというのはこれまで同様。もちろん前作、前々作を読んでいた方が話は面白いが、この作品を単独で読んでも結構面白いんじゃないかと思う。
30年も経ってるのに、剣之進や与次郎が又市の事件にことごとく行き着くというのはちょっとうまく出来すぎている気がしないでもないが、でも最後の「風の神」なんかは圧巻。「続…」もそうだったが、「後…」も終わり方が鮮やかで印象的。
最新作「前巷説百物語」は百介が会う前の又市の話らしいので、こちらも注目している。早く文庫で出ないかなぁ、、、。