
去年あたりにかなり売れていたイメージがあり、読んでみたいと思っていたこの本。今更ながら読んでみた。
この本、はっきり言ってタイトルが悪い。
このタイトルだと「ルックスがすべて」みたいな本だと誤解して当然なのだが、中身はまるで違う。プレゼンのトレーニングなんかに出るとよく言われるけど、人と話をするとき、実際に話している内容が相手の理解に与える影響というのは 7% に過ぎず、残りの 93% はいわゆる non-verbal communciation により成り立っているということを解説したのがこの本。
筆者は舞台の脚本や漫画の原作を書いているそうだが、舞台にしろ漫画にしろ、成功の秘訣はストーリーの善し悪しというよりも、むしろ細かい感情表現をどうやって視覚的に伝えるかという点にあるというのは、やっぱり作者の経験に裏打ちされているだけ会って説得力はある。communication というものを、科学的に、客観的に捉えて分析している点も、なかなか興味深い。
欠点を上げるとすると、話があまりにも発散してしまう点。いろんな種類の non-verbal communication を取り上げているのはいいのだけど、もうちょっと筋道が立っていてくれると「なるほど」と思えたんだろうけどね。
non-verbal communication が重要だという話は、個人的には正直あまり新鮮味のある話ではなかったけど、でも漫画の話でコマ割とかパンの使い方一つで読者を引きつけられるという点はとても面白かった。