
郊外の巨大複合商業施設で起こる大惨事。大量の犠牲者が出るものの、はっきりした原因が分からない。しかし事件のいろいろな関係者がそれぞれの生活の中で繰り広げられるちょっとした会話 (それが Q&A 形式になっている) から、徐々に全容が明らかになっていくというストーリー。
こういうテクニックもあるんだねー。とても感心。
内容も、あり得ないような大惨事を描いているにもかかわらず、なかなかリアリティがあって面白かった。
作風的にはあんまり恩田陸っぽくなくて意外な感じはしたけど、最後の章はやっぱりそれらしくまとまっているかな、と。
オーソドックスな推理ものとかに飽きてきたら、この本を読んでみるといいかも。
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で、作品とは直接関係ないけど、なにげに後付にある解説文がかなり秀逸。これを書いた森川嘉一郎さんという人は、なかなか洞察力のある感じ。って全然知らないのだけどね、、、。
「近未来系アニメ」から「ハルマゲドン願望」という流れがつぶれた瞬間、逃避行動を起こすかのように「萌え系」が出現した、というのは目から鱗だったな。