
自称社会派ブロガー?としては大変気になるタイトルの本を本屋で発見し、読んでみた。
この本の作者の呉さんは、韓国出身で、現在日本の大学で教授をされている方なのだが、内側から見た韓国の実情や、韓国から見た歴史観、北朝鮮観について書かれた本となっている。
この本に書かれていること全てを鵜呑みにするのは危険なような気がするが、それでもこの本を読むと、我々日本人がいかに韓国のことを知らないかと言うことがよく分かる。
たとえば北朝鮮観。我々日本人は、北朝鮮に対してよい感情を抱いておらず、韓国も同じなんじゃないだろうかと思いがちなのだが、呉さんによると実情は全然違うらしい。日本人は北朝鮮に対して専制政治のしかれた暴走国家というイメージを持つ人がほとんどだと思うが、北朝鮮ではそれ程悪いイメージを持っているわけではなく、金正日国家主席についても「とても優れた指導者」という印象を抱いているらしい。
韓国と北朝鮮はもともと1つの国だったものが東西冷戦のあおりを受けて分裂したという哀しい過去を背負っている訳で、その意味でいずれ南北の統一が実現して欲しいという気持ちもあったのだが、韓国が反日・反米に向かおうとしているという現状を見ると、統一が日本にとって必ずしもいい結果に結びつくとは限らないという思いを抱くようになり、なんだか哀しくなった。
この本の作者自信が、かつて反日教育により日本に対し敵対心を燃やした中で来日し、韓国で教えられていた内容と日本の実情のあまりのギャップに戸惑い、翻って韓国の実情を憂慮する立場に変わったという経緯もあり、多分に親日寄りな書き方になっている気がしないでもないが、それでも今までこうした現状を知ることが全くなかったので、大きな衝撃を受けた。
竹島問題や靖国問題についても、何故韓国が大きく騒ぐのか、この本を読んで何となくその背景に対する理解が深まったような気がする。
表面に出てくる問題を論じることももちろん大事だが、我々はその隠れた背景についてもっと勉強し、客観的事実を正確に把握する努力も必要だと痛切に感じた。