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スアド「生きながら火に焼かれて」



中東シスヨルダン (ヨルダン川西岸地区) のとある村で生まれ育った少女が、掟を破り男性と性交渉を持ったことにより、家族の手によって火あぶりにされるというおぞましい経験をつづったノンフィクション。

宗教上、様々な決まりごとがあるのは当然で、それに対して他の人間がとやかく言うことは出来ないとは思うが、家族の手で殺人が行われた上、それが「名誉の殺人」として扱われると言う考え方があると言うのがとてもショッキングだ。また、この地域では極端な男尊女卑が貫かれていて、生まれて来る子供も女の子よりも男の子の方が望まれているのだが、あまり女の子ばかり生まれて来ると、生後まもなく両親の手によって生命を奪われてしまうらしい。運よく生き残ったとしても、幼い頃から重労働にこき使われ、教育も受けることが出来ず、反抗でもしようものなら名誉の殺人の対象なってしまうらしい。

文化の違いと片付けてしまえばそれまでだが、家族に生命を奪われることが当たり前な文化というのは、日本人の感覚からいくと正直理解できないよなー。「家族」とはどういうものなのだろうかと、改めて考えさせられた。

我々はとても平和で自由な社会で暮らしているから、そうでない国での暮らしを想像することは難しいが、まだまだこういう古来からの習慣が続いている場所もあって、虐げられている人達がたくさんいるという現実を、我々は忘れては行けないと思う。

とてもつらい本だが、同時に価値のある貴重な本であるとも思う。

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