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伊坂幸太郎「砂漠」



仙台の某国立大学 (って1つしかないが) に入学した学生が、入学式後のクラス飲みで出会った仲間と織りなす青春ストーリー。

内容は、ごく普通の大学の、ごくありきたりの光景を麻雀を中心に据えて描かれた物語で、特に盛り上がりも何もなく淡々と学生生活が進行していく、極めて単調な物語。

なんてことは、まるでない。

とにかく学生生活がリアルに描かれているといった印象。大学と言うところは、個性の強い人、弱い人、お調子者、一見根暗だが突然デビューしちゃうような人、とにかくいろんな人が溢れているわけだが、そうした混沌がしっかり描かれている。途中で起こる事件もこれがまた大小様々だし、かなりメリハリがある。「大」の方の事件は、突然凄惨な光景に変わってしまったりするわけだけど、最後までしっかりと話がまとまっている。

なかなか面白かった。

10点満点だと8点くらい。

減点要因は、自分が麻雀が分からないのでいまひとつ話の流れについて行きづらかった点と、p.396 の4行目で「えーっ」と思ってしまったところかな。
ちなみに「なんてことは、まるでない」というのはこの本のキーワードみたいだね。

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