
石田衣良のショートショート集。1編10ページ以下という極めて短い作品が24編収録されており、かつ1つ1つに対して前口上がおまけでついているというなかなか面白い形態。
内容については、正直駄作も多かった気がする。が、まあ、それなりに面白い作品もいくつかあった。たとえば最初の方の「ナンバーズ」「旅する本」とか、最後から2つめの「最期と、最期のひとつ前の嘘」なんかはかなりいい作品に仕上がっている。が、さすがに毎月1編のペースでショートショートを書かねばならないというのはかなりきつかったようで、特に中盤以降は前口上でもいいわけが多くなっているのが残念。
なお、基本的に自分の身の回りで起こったことを題材としているので、石田衣良の人となりを理解するには良い本だとは思う。