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白石一文「僕の中の壊れていない部分」

あまり読む時間が取れず、やっとこさ読み終わった。

とても面白かった。

タイトルどおり、主人公はかなり精神的に壊れている。最初の 1/3 くらいまではこの壊れた人となりを見せつけられることがかなり苦痛で、読んでて疲れることは確かなんだけど、壊れていく背景とか「壊れていない部分」が出て来たりすることで徐々に主人公を受けいれることが出来るようになって来ると、その先の展開がものすごく気になってくる。そして最後も決してハッピーエンドではないんだけど、良い終わり方だと思うなぁ。

最近読んだからそう思うのかも知れないけど、村上春樹の「ノルウェイの森」を彷彿とさせる作品。しかしそれより現代的で、殺那的で、さらにいえば哲学的な気がする。

ただ、1つ残念なのは、若干人が死にすぎている様な気がする点。この作品は「人の生死」というものを主題に据えているというのは承知の上なんだけど、しかしたとえば最後に雷太が起こす事件がなぜここで出て来なければならないのかなんて理解できなかったし。(読みが浅いんだろうか。)

予想以上に面白かったので、彼のほかの作品もそのうち読んでみたい。

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