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メディカルサイエンスエッセイ 寝椅子の下


©こば心療医院 小羽 俊士

 普段はあまり語られることがないことですが、精神医療、心理療法の臨床実践の背景には、精神医学や心理学といった基礎的な学問があります。 医学の他の領域と違い、精神医学や心理学は、どうしてもどこか「文系」な雰囲気を持っているように誤解されることが多い印象です。 しかし、精神科臨床は精神医学を下敷きにしていますし、精神医学は医学という科学の一領域に含まれます。 日常的な診療の中で、「人間」というものをどうとらえていくか、「心」をどう考えていくか、ということも基礎的な科学的知見を背景に持っているわけです。 その意味で、精神科臨床の下にあるのは、神秘性でもロマンチシズムでもセンチメンタリズムでもなく、身もふたもない真実を追究する「科学」なのだ・・・と、時々思うのです。



もくじ


第I部 心の進化論

第II部 「私」のなりたち

第III部 「生まれ」と「育ち」

第IV部 うまくいかない心
 統合失調症編
 うつ病編
 不安障害(神経症)編I
 不安障害(神経症)編II
 病的嗜癖関連障害編
 身体に表れる心の問題編
 パーソナリティ障害編
 その他