
群ようこの小説は今まで読んだことがなかったが、この作品は映画化されたこともあって気になっていた。それがこの度文庫化されたので手にしてみた。
とにかく登場人物がみんな味があってよい。主人公のサチエの生き方もすごいと思うが、ミドリとかマサコとか、ヘルシンキまでやってきてしまうってのもすごいよなぁと思う。そうした「世間ずれ」した感覚が不快かというとそうではなく、むしろほほえましくすら思えてくるのは、やっぱりサチエの一生懸命さと群さんのソフトな語り口が影響しているんだろう。
思った以上に面白かった。3人+トンミ+近所のおばちゃん達の今後もとても気になるところ。
ちなみに、本を読み終わった後に改めて映画版のキャスティングを調べてみたんだけど、サチエは小林聡美だったんだね。これは小説のイメージともぴったりで、まさに適役。ミドリの片桐はいりとか、マサコのもたいまさこもイメージにあっていてよい。ま、この映画のために書き下ろしたようなので、もしかしたら既にキャストがあって小説を書いたのかも知れないけどね、、、。