
コンサルタントがクライアントから情報を引き出すために必要な「質問力」をつけるにはどうしたらいいか、という内容の本。
野口さんの説によれば、質問力は「仮説力」「本質力」「シナリオ力」のそれぞれを磨くことによって向上するということのようだ。このスキームは非常に理解できるのだが、じゃあおのおのの力をつけるにはどうしたらいいかと言うところが、率直に言って通り一遍のことしか言っていないような気がして、あまり具体的に新しい考え方とかを得ることが出来なかったかな。「こうしたらいい」というやり方も、一般的に使われている手法が中心だし、それがどう仮説力に影響するのかとか、いまいち説得力がない。「これってほんとに仮説力?」という要素が書かれていたりとか、表面的な感じは否めなかった。
ま、しかしこうした手法を一般的と思ってしまうのは、よくよく考えてみると会社で受けさせてもらっているトレーニングでよく出てくる手法だからだということに、この本を読み終わった当たりで気づいた。手法というのは実践して初めて身に付くものであり、その手段としてトレーニングというのは本を読むよりも効率的だと思っている。その意味では、希望すればちゃんとトレーニングを受けさせてくれる今の会社は恵まれているのかも、と思ったりもした。