
とても感受性豊かな芸術肌の女の子が、ちょっと (結構?) 年上の芸術家に恋をする物語。
よしもとばななの作品って、育った環境のせいで極めて不安定で感覚の鋭い主人公が出てくることが多いのだけど、これもそんな感じ。初恋の相手も同じように感覚の鋭さが見えるものの、彼も2人の見ているものが同じであることに徐々に気づいていき、次第に精神的なつながりが強くなっていくという展開。
なんか、こういう作品を読んでいると、自分というものが分からなくなってくるな。自分はこんな感覚の恋愛をしたことがないし、そもそも人を好きになると言うのはこんなに深いところでのつながりがないとダメなんだろうか、なとど考えてしまう。
ま、自分は芸術的センスはゼロだし、こういう生き方はきっと出来ないだろうし、そういう人間にはその人にあった違った人生観・恋愛観というものがきっとあるんだろう、ということで。
話は心温まる感じでよかったが、ちょっとスピリチュアルな話すぎていまいちのめり込みづらかったかも。
でも絵はとてもいい感じ。