
hoshi さんに借りて読んだ本。
仙台に住む兄弟の話。出生に暗い過去を持つ弟と、仙台市内で起こる落書きと不可解な放火事件の謎解きに挑む兄。弟の苦悩と、兄の純粋な気持ちが混ざり合い、徐々に真相が明らかになっていく。
作品の印象としては、「陽気なギャング」の軽さと「砂漠」の地理描写が混ざったような感じかな。伏線の織り交ぜ方はとても伊坂幸太郎らしい感じ。話がスーッと頭の中に入っていく感覚も、ほかの作品同様すばらしい。
伊坂幸太郎の作品に共通して見られる特徴として、犯罪を必要悪として認めている点があると思うが、この作品でも復讐としての犯罪を認めきったまま終わっている。勧善懲悪的な展開が好きな自分としては若干違和感があるけど、これはこれで作品の特徴としてはありだし、ストーリー性もとても高い。
全体的な評価としては非常によい部類。
1点だけがっかりした点を挙げるとすれば、最後に出てきた「アインシュタイン」。綴りは Einstein なんだよなぁ、、、。ここまで完璧なだっただけに、最後の最後でずっこけてしまった。。。