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石原慎太郎「太陽の季節」



前回の田中康夫に続き、今回は東京都知事・石原慎太郎のデビュー作にチャレンジ。

昭和30年頃の不良少年たちの青春を描いた短編集。ケンカの描写も半端じゃないが、とにかく女性関係の派手さがすごい。50年前の日本でこの作品が社会問題になったというのもよく分かる。しかし、ただ突飛な世相を描いているだけではなくて、若者の持つ苦悩、将来への不安から来るやるせなさ、そのはけ口としての暴力、それに伴う「死」という関係を実にリアリティを持って描いた作品であるといえると思う。

こうしたいわゆる「荒くれ者」とも言うべき人々との対峙が、今の石原さんの政治家としての強硬さの源なのかも知れない。一度決めたことを為し遂げようとすれば様々な障壁があるのが常であり、衝突が起こっても決して及び腰にならないと言うのは、交渉ごとではとても重要な事だと思うが、そうした石原さんの姿勢は、まさに彼が若かりし頃に自然と身に着けたものなんだろうなぁ、と。

なかなか面白かった。

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