
石原慎太郎都知事の鶴の一声ではじまった「東京ER」。その一環として都立府中病院に設置された「東京ER・府中」の精神科医師として働く作者が、医療現場の日常を書いたノンフィクション。
読む前は「精神科に緊急治療が必要あるのか」という疑問を持っていたが、様々なケースがあるのだなぁ、と。普段精神科の現場を見ることがないだけに、大変勉強になった。
精神病患者というのは得てして差別されてしまいがちだが、治療により治る病気でもあり、もっと理解が広がっていって欲しいと思う。
総じてとても興味深い内容だったが、治ったケースしか書かれていないので、うまくいっていないケースについても少し取り上げて欲しかったかな。
ちなみにこの本、その辺の本屋ではあまり見かけない気がするが、府中の啓文堂では出版されて1年ほどたった今での平積みで置いてある。やっぱり地元が舞台だと言うことで手厚い扱いを受けているのかな。