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東野圭吾「白夜行」



いやー、長かった。2週間以上かかってしまった。

が、、、。やはり評判通りとても面白かった。章立て、サスペンス、描写。どれをとっても素晴らしかった。

中でも様々な登場人物の心理描写が素晴らしい。特に、章ごとに (というか小節ごとに) 語り手が変わるという点と、対照的に主人公である2人の心理描写が一切ないという点は特筆すべき。他の登場人物の観点から描写することによって、本質をぼかしながらも徐々に全体像が明らかになってくるという技法にも驚くが、長い作品のいろいろなところに完璧なまでにヒントがちりばめられているということにより、これだけの長さでも飽きずに読み進めて行くことのできる秘密が隠されているのだろうなぁ、と感じた。

そうはいっても、減点ポイントは、やっぱり長過ぎる点だな。。。

10点満点で9点。


ちなみに、この作品、ドラマとして TBS で放映されていたわけだが、あらすじを見ると原作とだいぶ違う感じ。この作品はやっぱり「ぼかし」が重要な訳で、その点、映像として「はっきり」描写しなければならないという制約は大きな足枷になっている気がするなぁ。

コメント
ドラマの方はある意味割り切って映像化していただけあって「裏白夜行」と考えると意外と良かったよ。
自分は今度、「白夜行」の続編といわれる「幻夜」を読んでみるつもり。
  • エース
  • 2006/04/16 12:30 AM
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