
かなり売れているらしいので読んでみた。
内容は、国民すべてが中流であった高度成長期と対比し、現代を下流層が多数を占める「下流社会」であると位置づけ、マーケティング的観点から、アンケート結果にもとづいて様々な切り口から分析を行なっているというもの。
データはかなり興味深い。数字を見るだけで、色々と考えさせられるものがある。また、三浦さんの主張もなかなか共感できる部分が多い。そして歯に衣着せず、とにかくあらゆるものをバッサリ切り捨てるような文体も、ある意味ですがすがしい。
が、、、。この本、データと結論の間の飛躍が余りにも大きすぎる。データを見せて、それについてうわべだけ分析したように見せかけながら、突然自分の信念みたいなものを取りだして説明し、さもそれがデータに基づいているような書き方をしているところが何か所かある。このギャップがものすごく気持ち悪い。というか、学者さんがこんな論調でいいんだろうか、と憤りすら感じる。
ただ、繰り返しになるけど、データは本当に素晴らしいし、また主張だってマーケティング的に考えれば正しい結果のような気もする。そのつなぎが滅茶苦茶なのが残念。
ちなみに、使っている手法は、ひたすらクラスター分析。
10点満点で4点くらいかな。