「星の王子様」で有名なサン=テグジュペリの初期の作品。今回読んだ文庫本には、標題の「夜間飛行」と、処女作である「南方郵便機」の2作品が集録されている。
で、まず「夜間飛行」。航空郵便会社の manegement として、当時危険と言われていた夜間の飛行に対する責任を一手に背負い、遅延のない配送とリスク回避の両立のため非情かつ厳格な組織運営をするリヴィエール。夜も眠れない程つらい立場にたちながらも、自分の信念に従い支持を出す姿は、ある意味機械的であるとも言える。一方でファビアンの妻が出て来るくだりでは人間らしい一面をも見せることになるが、最後には自分を律して厳格な決断をする。上司として持つとこれ程窮屈なことはないかも知れないが、トータルで見た場合常に正しい決断をしているように見える。そしてその決断は会社のために下されているというわけではなく、あくまで自分の信念にもとづいて下されていると言う点に非常に感銘を受けた。そしてまた、彼の部下もそれぞれが professional に仕事をこなしている。「仕事」にはこういう厳しさが必要なんだろうな、ということを再認識させられた。
そして次が「南方郵便機」。やはり航空郵便会社の話であることには変わりないんだけど、どちらかというと人生や恋愛といった要素が強調されているように感じる。最後は悲しい終わり方になるけど、かなり感動的だった。
どっちも優劣つけがたく素晴しい作品だったが、文章があまりに難しすぎるのが残念。読むのにかなり時間がかかってしまった。もともと難しい内容であるのに加え、訳されたのが昭和初期ということも影響していると思われる。もうちょっと今風な訳本が出て来ればいいのになぁ。
- コメント
- 「夜間飛行」、いいですよね。「人間の土地」も泣けます。同じ飛行機乗りのリチャード・バックも、毛色は全然違うんですけど、悲しみというか絶望というか、波長が似ている気がします。
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- kataoka
- 2005/09/05 1:08 AM
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