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第47回衆議院議員総選挙の結果について(声明)

2014年12月15日
社会民主党

第47回衆議院議員総選挙の結果について(声明)

 昨日、第47回衆議院議員総選挙の投開票が実施されました。

 社民党は、消費税増税先送りと「アベノミクス」への審判を仰ぐという不意打ちの解散・総選挙に対し、国民の願いに背を向けた安倍政権の政治そのものを問う選挙であると位置付け、その対極にある「平和と福祉はやっぱり社民党」をスローガンに掲げ、小選挙区18名、比例単独7名、あわせて25名の候補者を擁立し、総力を上げて闘いました。しかし結果は、沖縄2区の照屋寛徳候補、比例九州ブロックの吉川元候補の当選という、小選挙区で1議席、比例区で1議席の現有2議席に留まりました。社民党の政策を支持し投票してくださった方々に、心から感謝申し上げるとともに、選挙期間中、温かいご支援、ご声援をいただいた国民のみなさん、有権者のみなさんのご期待に応えきれなかったことをお詫びいたします。

 「この道しかない」という「アベノミクス」によって拡大する格差、「戦争できる国」に向かう集団的自衛権の解釈変更、再稼働や輸出を進める原発依存への回帰、TPP参加による農林水産業や医療崩壊への危機など、この2年間の安倍政権の政治に対する不満は、国民の中で確実に高まっていました。社民党は、候補者を先頭に、安倍政権の問題点を指摘し、自民党一強体制の阻止に向けて、消費税率5%への引き下げ、格差の是正、平和憲法の遵守、脱原発社会の実現、TPP参加反対を柱に訴えました。候補者、党員、支持者のみなさんが総力をあげて奮闘し訴えた社民党の主張は、国民の多くも望んでいることだという確かな手応えがありました。

 しかし、安倍政権による争点隠しに加え、候補者を十分に擁立することができなかったことや超短期決戦だったこともあって、社民党の政策や主張を浸透させることができませんでした。それでも厳しい戦いの中、現有の2議席を確保することができ、また若い候補者を先頭に新しいつながりを作ることもできました。こうしたことを足がかりとし、来春の統一自治体選挙に全力で臨み前進を図り、党の再建・再生の原動力としていきます。

 今回、投票率は戦後最低となりました。景気回復の実感がないなかでの消費税増税の強行や「政治とカネ」の問題による閣僚の辞任、沖縄県知事選挙での敗北の責任をリセットするかのような解散・総選挙は、政治そのものへの不信感を強めました。低投票率は有権者からの無言の抵抗であったと言わざるをえません。また、「一票の格差」や大量の「死票」、得票率と議席率の「乖離」を生む現行小選挙区制の問題点が浮き彫りになりました。

 今回の選挙結果をもって「国民の信任を得た」とする安倍政権の暴走によって、集団的自衛権行使のための安保法制の整備、さらには改憲の発議も視野に入り、不戦を誓った日本国憲法そのものが正念場を迎えかねません。消費税増税と不景気のスパイラルが加速し、国民のいのちと暮らしをこれまで以上に切り捨てる動きが強まりかねません。しかし、各種調査では、景気回復の実感なし、集団的自衛権反対、原発再稼働反対、TPP参加反対、辺野古新基地建設反対という国民の声が多数であり、国論を二分する重要課題が信任されたわけではありません。社民党は、現在の政治状況に危機感を持つ多くの人々とともに、国会内外で安倍政権による「国民をないがしろにする政治」に歯止めをかけることに全力を尽す決意です。

以上