KE F1 PROJECT
KE F1 PROJECT
*02:開発(KE007)*
小島エンジニアリングの小島さんは、もともとは、モトクロスレーサーだったそうです。モトクロス界では、有名な人だったそうですが、その時代のことはあまり知りません。(^_^;)
4輪レース界でも、人柄と実行力で、皆に慕われる人で、長谷見選手がチーム小島からレースに出ていたことからも、そのことが伺われませネ。右の写真は、当時の小島エンジニアリングです。今の常識から考えると、あまり大きな会社ではありませんね(当時の日本のレース界は、大体こんなものだと思いますが)。でも、ここからKE007・F1が生まれたんですね。
F1を製作することになった小島さんは、スタッフとして、小野昌朗氏と解良喜久雄氏を集めました。小野氏は、マキF1の設計者としての実績とその時、ヨーロッパのF1を転戦し、実情を一番知っている人物でした。また、解良氏は、ノバでF2を設計したり、また、メカニックとしても一流の人でした。紫電も彼の設計でしたね。カウルのデザイン・製作は、ムーンクラフトの由良拓也氏が担当しました。ネスカフェのCMで、『違いがわかる男』にも選ばれた人です。
製作途中のモノコックです。冶具の上にのって、リベット止めを行っている最中でしょうか?仮止めのピンが多数着けられてます。まだ、フロントバルクヘッドも付いていないですね。まさに、バスダブって感じですね。
製作の容易さ・製作時間の短縮を考慮して、ほとんどのパネルが直線で出来てます。
これは、1996年4月頃に発表された完成予想イラストです。コクピットサイドのエアインテーク、フロントカウルの2重構造等が初期から決まっていたんですね。というか、この時点で決まっていなかったら問題ですが・・・。ボデー色が白く描かれているので、イメージが違って見えるかもしれませんが。
この頃になると、フロントバルクヘッドが仮止めされています。アルミの削り出しで出来ています。本来なら、マグネシュームのダイキャストで作るところなんですが、製作日数の短縮、コストの削減から、アルミの削り出しになったそうです。この部分は、KE009で本来のマグネシュームのダイキャストになりました。
これは、カウルの木型です。センターモノッコック部分とフロントノーズのインナーカウル部分ですね。これに、当時としては珍しかったカーボンファイバーが貼られ、カウルが作られます。現在のように焼く釜も無かったでしょうから、FRPのグラスファイバーの代わりにカーボンを使ったという状況だったでしょうが、軽量化、強度アップのために、新しい材料へのトライがうかがわれます。