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【声明】 声明 「高校授業料無償化」制度の朝鮮学校(高級部)への適用を求めることについて

2010年3月3日
社会民主党北海道連合 代表 道林 實

声明

「高校授業料無償化」制度の朝鮮学校(高級部)への適用を求めることについて

 昨日、2010年度予算案が衆議院を通過した。国民生活の再建を実現する予算であり、参議院での活発な議論を経て、成立することを期待している。
 一方新年度から導入される予定の、鳩山首相が高校授業料無償化に関連して、在日朝鮮人の子どもたちが通う朝鮮学校を無償化の対象から外す方向で調整していることを明らかにした、との報道に接した。
 報道によると、その理由として「朝鮮学校がどういうことを教えているのか指導内容が必ずしも見えない」とのことである(北海道新聞、2010年2月26日)。 
 しかし、朝鮮学校は、各都道府県が各種学校として認定し、公立・私立大学の半数以上が独自の判断で受験資格を認めてきたばかりか、国立大学で初めて受験資格を認めた京都大学は、朝鮮学校の授業や教科書を検討し「高校」と差がないことを確認している。また、各地の朝鮮学校ではいつでも学校を開放しており、その授業について、「見えない」という指摘はあたらない。
 これらの事実から考えても、朝鮮学校が「日本の高校に類する教育課程」をもつ学校を対象とするという文部省の方針に合致していることは明らかである。また「教育の機会均等」や「教育の国際化」という文部科学省の方針からしても、朝鮮学校だけを排除する合理的理由は見当たらない。
 
 2月26日、国連人種差別撤廃委員会は、日本の人種差別撤廃条約の遵守状況を検証する審査会合をジュネーブにおいて開催した。そのなかで、高校無償化問題が取り上げられ、朝鮮学校を除外することについて人種差別との懸念が表明された。これまでも朝鮮学校に対する文部科学省の方針に対して、これを民族差別とする「懸念と勧告」が何度も出されている。
 勧告を受け入れ、すべての子どもたちの人権が尊重される社会をつくっていくことこそ、新政権に求められている。
 民主党は、総選挙前に発表した政策インデックスのなかでも「日本国教育基本法案」においても「国民と限定するのではなく」、「何人にも『学ぶ権利』を保障」するとしている。もし、高校無償化から朝鮮学校をはずすことになれば、この政策に反するばかりか、「友愛」「いのちを守る」ことを掲げる鳩山首相の理念にも反することになり、政権交代を望んだ有権者の期待に背くばかりか、国際的な批難がさらに高まることも危惧される。

 社民党北海道連合は、市民福祉の向上のために力をあわせて取り組んでいる連立政権の同志として、鳩山政権が朝鮮学校を高校授業料無償化から除外しないことを強く求めると共に、子どもの学ぶ権利が確立され、子どもたちが未来に希望が持てるよう全力を尽くすことを表明する。

以上

連絡先
札幌市北区北8条西4丁目金子ビル 011-708-0667(担当 浅野)