野田政権によるTPP交渉への参加表明に強く抗議する
2011年11月11日
社会民主党北海道連合幹事長 浅野隆雄
社会民主党北海道連合幹事長 浅野隆雄
昨年秋の菅総理による唐突な「平成の開国」のスローガンが打ち出され、今夜ついに野田政権において、TPP交渉への参加表明が強行された。11月12日からのAPECにおける意思表明とはいえ、この暴挙は断じて許されない。
そもそも、現時点でも我が国のメリットやデメリット、リスクは何か、いわゆるどういう対策を検討しているのかなどは、まったく国民に示されないままの、首相による見切り発車の暴挙でもある。
言うまでもなくTPPについては、金融、投資、政府調達、労働、環境など幅広い分野を網羅するものであり、かつまた政府内の各省の試算が異なること、政府からの情報提供が極めて不十分であること、国民的議論や理解が全く熟していないのが事実である。特に「聖域なき関税ゼロ」が前提であるにもかかわらず、これにどう対応するのかなどはまったく不明確である。
TPPには、ラチエット規定という「現状の自由化よりも後退をさせない」という内容や、ISD条項という「国家と投資家の間の紛争解決手続き」を定めており、各国が自国民の安全、健康、福祉、環境をも自分たちの国の基準では決められない「治外法権」ともいえる内容を有しており、極めて容認できない重大問題でもある。
ことの重要性は北海道においても、179自治体のうち176自治体が反対および慎重意見であり、仮に参加となれば道試算では2兆円を大きく超える経済損失にとどまらず十数万人とも言える失業者をつくりだし、農業などの壊滅を招くと想定されており、断じて容認することはできない。
国会で一度も首相自ら参加の意思表示を明言することもなく、いのちと農業と国民生活を破壊するTPP交渉への参加表明をしたことは、断じて容認できず、強く抗議するものである。