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「大飯原発再稼動」の政府決定に抗議する(談話)

2012年6月16日

「大飯原発再稼動」の政府決定に抗議する(談話)


社会民主党
党首 福島みずほ

 本日、野田総理は関係閣僚会議を開き、大飯原発3・4号機の再稼動を正式決定した。福島原発事故の収束も原因究明もなされておらず、国会の事故調査委員会の報告書もまとまっておらず、原子力規制庁も設置されていない、無い無いづくしでの強行である。国民の命を切り捨てたこの決定は許しがたいものであり、強く抗議する。

 野田総理は、昨年3・11の福島原発事故の教訓を一顧だにせず、「生活レベルの低下」や「社会経済の停滞」をちらつかせ国民を恫喝してきた。しかし、大前提である「安全」が確信されないままで、「国民生活を守るための再稼動」といっても詭弁にすぎない。国民生活を守るためには、脱原発の意思を示し、今夏の電力不足に対応する電力需要の抑制や省エネ・節電の徹底、安全な電源の確保にこそ取り組むべきであった。国民生活の安全と安心を放棄した野田内閣の責任は重い。

 社民党は、政府や原発立地・近隣自治体に、拙速な原発再稼動を行なわないよう申し入れや抗議を繰り返してきた。大飯原発については、安全指針の見直し、防潮堤のかさ上げ、免震事務棟の建設、フィルター付きベントの設置等の安全対策多くが手つかずのままである。この状況で新たな原発事故がおきたら、被害は30km圏内にとどまらず、1450万人の命の源である琵琶湖は汚染され、人口集中地帯の近畿圏一円に被害が及ぶことは必至である。そうなったら政府はどう責任を取るのか。福島の惨禍を再び繰り返すことは断じて許されない。現段階の再稼動決定を撤回するよう政府に強く求める。

 社民党は、太陽光・風力・水力・地熱発電、燃料電池などを活用した「自然エネルギー社会」への早期転換を追求し、「脱原発社会」の実現に全力をあげる決意である。

以上

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