2013年7月26日
TPP交渉からの即時脱退を求める(談話)
社会民主党幹事長
又市 征治
社会民主党幹事長
又市 征治
1.多くの国民の反対や懸念の声を押し切り、日本はTPP(環太平洋経済連携協定)交渉会合に初めて参加した。しかしわずか2日半の参加で、関税問題を扱う「物品市場アクセス」分野の協議にも間に合わないなど成果に乏しく、最終盤での途中参加の困難さが一層、浮き彫りになった。関税分野の結論は次回以降に持ち越されたものの、残された時間が極めて限られる中、米通商代表部のフロマン代表が「日本が交渉を遅らせることは許さない」「日本農業について事前に除外するとのいかなる合意もない」と言明するなど、今後の交渉で日本の主張が満足に取り上げられる保証は全くない。社民党は安倍政権に対し、TPP交渉からの即時脱退をあらためて強く求める。
2.TPPの極端な秘密主義も大きな問題だ。今回、鶴岡公二首席交渉官が署名した「秘密保持契約」には、交渉中にやり取りした書簡や提案などを協定発効から4年間、秘匿することが明記されているとされ、大江博首席交渉官代理も「何を言ったか、何を聞かれたかを言うこと自身が約束違反」と発言した。これでは膨大な協定案の中味や、日本も他の後発参加国と同様に不利な制約が課せられたのかを含め、いま何が議論され、日本の主張反映の余地がどこまで残されているのかすら国民は把握できない。TPPに参加すれば農林水産業はもちろん、食の安全や医療、保険、労働、公共調達など国民生活の隅々に甚大な影響が及ぶにもかかわらず、国民には一切情報が知らされず、政府に白紙委任することになりかねず、TPPという協定の異常な姿が露わになりつつある。
3.自民党は今回の参院選公約で、TPPに関して「守るべきものは守り、攻めるべきものは攻め、国益にかなう最善の道を追求」などと玉虫色の表現に終始し、農産物重要5品目について触れた「政策集」は高市政調会長自ら「公約ではない」とした。すなわち自民党は参院選でTPPについて頬被りしており、選挙結果は国民が参加にお墨付きを与えたものでないことは明らかだ。社民党は、国会内外でTPPに懸念を持つあらゆる団体・個人と、これまで以上に幅広く連携し、交渉即時脱退の国民運動を構築するため全力を尽くしていく。
以上