第83回メーデー・アピール
全国の働く仲間の皆さん、社民党は第83回メーデーにあたって、連帯と激励のメッセージを送ります。
昨年3.11に発生した大地震と津波は甚大な被害をもたらしました。そうした中、全国の仲間の皆さんが、カンパやボランティアなど様々な支援活動を行ってきたことに敬意を表します。あれから1年以上がたちましたが、復興の足跡は遅々としており、避難生活の長期化が高齢者の健康を蝕むなど、弱者へのしわ寄せが拡大しています。社民党は「人間の復興」・「生活再建」の実現に全力を尽くします。
とりわけ被災地における雇用調整助成金の改善や失業給付の延長、就労の支援や雇用の創出、経済・産業の再建、東北の資源を活かした新産業育成など、安定した雇用の確保に全力で取り組みます。
東日本大震災に便乗して、派遣労働者を含む多くの非正規労働者が雇い止めにあい解雇されました。だからこそ、労働者派遣法の改正が必要でした。しかし、今回成立した労働者派遣法改正案は、民主、自民、公明の3党によって登録型派遣と製造業の原則禁止が削除されるなど、企業側の立場に立った骨抜きの内容となりました。
社民党は、働く仲間の皆さんとの連帯を深め、労働法制の規制緩和の流れを変えるためにもねばり強く奮闘していきます。
民自公3党は、労働基本権回復のないまま被災地の復旧・復興に向けて奮闘している公務労働者の給与削減に踏み切りました。社民党は、公務員制度改革関連四法案の今国会における成立と、消防職員の団結権付与も含めた地方公務員の労働関係に関する法律案等の早期国会提出・成立を求めると共に、公務員の労働基本権回復に全力を尽くす決意です。
さて、野田首相は、消費税増税に「命をかける」とまで発言するなど、『社会保障と税の一体改革』をしゃかりきになって進めています。働く者の給料や物価が下がり続けているデフレ状況の下で、震災復興のために所得税と住民税を増税しておいて、その上に消費税倍増では、個人消費は低迷し、内需と景気をもっと後退させることになります。
今やるべきは、東日本大震災からの復興、原発事故の収束、国民生活の再建と景気対策に全力を挙げることです。
野田政権は原発の輸出や再稼働を推進しています。東京電力福島第一原発の事故自体も収束しておらず、事故原因究明と新たな厳しい基準やそれに基づく対策もないまま、再稼働を認めることは決して許されません。東電福島第一原発事故の深刻さに直面した日本にとって、進むべき道は脱原発と自然エネルギーの飛躍的拡大です。社民党はあらゆる人たちと連帯して、脱原発の道筋をつけ、自然エネルギーへの転換を推し進めていきます。
憲法審査会の始動を機に東日本大震災を口実にして国家緊急権や非常事態法制などを持ち出して改憲論議を進めようという動きがあります。しかし、震災にせよ原発災害にせよ、憲法前文の平和生存権や憲法13条の幸福追求権、憲法25条の生存権などの憲法理念が脅かされていることの方が問題であり、憲法改正の策動に断固として反対していきます。
今こそ労働運動が問われているときはありません。働く者の英知と連帯の力で東日本大震災を乗り越え、働く者が大事にされ、平和で安心な希望が持てる社会の実現に向け共に頑張りましょう。
第83回メーデー万歳!