天上大風
ある日のことです。
良寛さまは、燕(つばめ)の仲町というところに来ていました。
見れば、子供たちが凧あげをしているようです。
子供好きの良寛さまのことですから、托鉢(たくはつ)のことなどすっかり忘れてしまい、
凧あげの様子に見入っていました。
ところが、風が弱いせいでしょう、子供たちのたこはなかなか空高くあがりません。
「あがらんなぁー。なんでら。」 ひとりの子供がそう言いました。
(あがらないなあ。どうしてかな。)
「風もわーれけど、凧もわーれんだっや。」 別の子供が言いました。
(風も悪いけど、たこも悪いんだよ。)
すると、たこを持っていた子供が良寛さまのところにかけよって言いました。
「良寛さま、たのむっけ、なんか書いてくれや。」
(良寛さま、お願いです、何か書いてください。)
そう言って、文字も絵柄も何も描かれていない凧に、何かを書いてもらおうと
お願いをしました。
子供好きの良寛さまは、喜んで次のように書きました。
「天上大風」
するとどうでしょう。
子供たちの凧は、みるみる空高くあがっていったということです。
良寛さまは大人のためには字をあまり書かなかったということですが、
子供たちやお世話になった人にはすすんで筆をとったそうです。
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