1998年5月、カナダは、1997年1月1日に発効したフランスのアスベスト禁止令が、TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)と1994年のGATT(関税及び貿易に関する一般協定)等に違反しているとしてWTOに申立てた。
2000年9月18日紛争処理小委員会(パネル)は、フランスの禁止令はGATTの条項に抵触しているが、人の生命や健康を守るために認められている例外規定に該当しているためGATT違反にはならないとして、カナダの申立を退けた。
カナダは上級機関に審理の申立。2001年3月12日、上級機関は、条文の解釈においてはパネルの判断を覆したが、人の生命や健康を守るために認められている例外規定に該当しているため、TBT協定、GATT違反にはならないとして、カナダの申立を認めなかった。
−WTO:WORLD TRADE ORGANIZATION 世界貿易機関−
(European Communities - Measures Affecting Asbestos and Asbestos-Containing Products)
−目次−
WTOの裁定(5)-第3国(ブラジル、アメリカ、ジンバブエ)の主張
つづく
※上記の内容について、概略版はこちらにあります。※WTOの報告書は次のサイトに掲載されています。
WTO:List of panel and Appellate Body reports
http://www.wto.org/english/tratop_e/dispu_e/135r_a_e.pdf
http://www.wto.org/english/tratop_e/dispu_e/135r_b_e.pdf
http://www.wto.org/english/tratop_e/dispu_e/135r_c_e.pdf
http://www.wto.org/english/tratop_e/dispu_e/135ra1_a_e.pdf
http://www.wto.org/english/tratop_e/dispu_e/135ra1_b_e.pdf
http://www.wto.org/english/tratop_e/dispu_e/135abr_e.pdf
※WTOの裁定について、カナダのアスベストインスティテュートの見解は次のサイトにあります。
"World Trade Organization (WTO) measures affecting asbestos and products containing asbestos"
"European Communities - Measures concerning asbestos and products containing asbestos"
"The Asbestos Institute is disappointed from the upholding of a ban on chrysotile asbestos in France by the Appeal Organization of the WTO panel decisi"-March 12, 2001